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空の城―長篇ミステリー傑作選 (文春文庫)
 
 

空の城―長篇ミステリー傑作選 (文春文庫) [文庫]

松本 清張
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

石油部門への進出を焦って熾烈な国際商戦の渦に巻き込まれ、倒産するにいたった巨大総合商社。石油という国際的な商品の“魔性”に命運を賭けた大企業の野望は、いかにしてついえたのか。日本経済に大きな衝撃を与えた安宅産業の崩壊を題材に、徹底した現地取材と卓抜な洞察力で真相に迫る、企業小説の傑作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

松本 清張
1909(明治42)年12月、福岡県企救群板櫃村(現・北九州市)に生れる。53(昭和28)年「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。56年、それまで勤めていた朝日新聞社広告部を退職し、作家生活に入る。63年「日本の黒い夢」などの業績により第6回日本ジャーナリスト会議賞受賞。67年第1回吉川英治文学賞受賞。70年第18回菊池寛賞、90年朝日賞受賞。多方面にわたる多くの著作がある。92(平成4)年8月死去。98年、北九州市に「松本清張記念館」が開館(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 557ページ
  • 出版社: 文藝春秋; 新装版 (2009/11/10)
  • ISBN-10: 4167697262
  • ISBN-13: 978-4167697266
  • 発売日: 2009/11/10
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.8 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 蘇冬
形式:文庫
解説で書かれているように、清張が指弾しようとしたのが、
サッシンとの商談を進めた上杉でも、社長の河井でもなく、
社主「要造」だとすると大変興味深いことが浮かび上がる。
確かに清張ほどの人間が注目するに値するのは、単なる「サラリーマン」
「雇われ人」である旧安宅産業の幹部ではないことは確かだろう。
しかし、その対象が「希代のコレクター」である「安宅英一」であることに、
私は震えるほどの感情がわいた。
清張の書くべき素材としての対象に対する「察知力」「把握力」、そして「執念」は、
誤解を恐れず言えば、安宅英一と共通するところはないだろうか。
松本清張が追求し続けた「素材」と安宅英一が追い求めた「骨董品」は、
形こそ違え、両者が心の底に持ち続けた「ディモーニッシュ」、「魔」ともいうべき
ものではないかと考えてしまった。

人より抜きんでた事を成し遂げる人間は、常人とは違う所・・・欠けているもの・・・
「魔」を抱え込んで生きているように思える。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
実話である安宅産業破綻はどうして起きたのか、誰がどのような状況でどのように動いたのか、何が問題だったのか、問題ではなかったのかが良く分かる。良く分かるのは、作者の明晰な頭の中で、事件の構図と事実関係がトコトン良く消化されているから。イヤというほど石油精製技術のことやら、プロジェクト金融の仕組みやらの専門的説明が出てくるが、説明のための説明ではなく、小説の流れに必要な説明だから、面倒くさがらず読める。

どれだけ専門用語が多くても、松本清張のほかの小説同様、煮詰めれば究極のテーマは人間の性(さが)そのものであり、十分にそこに到達している。

また、日本サラリーマン社会のだらしないモラルハザードもアウトサイダーの清張さんでなければ、ここまで深く掘り下げられなかっただろう。

登場人物らが、「破綻」後、どのような人生を送ったか、小説には描かれていないが、とても興味がある。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
怪演 2010/9/3
By saho78
形式:文庫
安宅産業の崩壊を描いた企業サスペンス的な大筋とは別に、企業が危機に瀕している中、大量の高価な骨董を自分の審美眼で蒐集し続けた二代目社主の在り様になぜか惹きつけられます。社員からすると迷惑な御仁だし、やることは二代目ドラ息子以外の何ものでもないのですが、事実なのか松本清張氏の筆によるものなのか、話の要所要所に時々現れては強い印象を残す不可思議で奇怪な老人。清張作品は女性キャラクター中心に映像化されることが多いですが、老優の名演技が見られそうです。でも映像化は確かNHKドラマ「ザ・商社」1回のみであったような。忘れがたいキャラクターです。
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