内容紹介
「女による女のためのR-18文学賞」
大賞受賞から8年
待望の初書き下ろし長篇!
昭和50年代、初夏の大阪。
僕は知った。
この空のように複雑で、
しょっぱい世界があることを――
母親の入院の謎、大人たちの嘘。
おだやかで残酷な日常が、少年を包みはじめる。
------------------------------------------------
外に出ると、屋上全体が夕焼けの空にすっぽりと包みこまれていた。
二人はフェンス際のパンダとウサギの乗り物に座り、しばらく無言で空を眺めた。
空は静かに燃えているみたいだった。
見渡す限り、どこもかしこも真の持っている絵の具ではとうてい描ききれない色をしていた。
こんな空をいったいどんな名前で呼べばいいのか、真は知らない。(本文より)
大人の世界なんて、遠い向こうだと思っていた。
大人はなんでも正しいって、信じていた。
「あの頃」の脆くて純真な心が、ここにある。
------------------------------------------------
「なあ、お母さんはいつ帰ってくるん?」
突然、小学3年生の真の生活から母が消えた。
救急車で運ばれたこと以外は何も教えてもらえないまま、
留守がちの父、そして水商売のおばとの、奇妙な三人暮らしが始まった。
どこか穴があいたような気持ちを抱えていたとき、
真の前に現われたのは、クラスメイトの双葉カオル。
剥製のペットたちと暮らしている、ちょっと風変わりな女の子だった。
ひょんなことから二人は、一夜の冒険をすることになり・・・・!?
井戸の手押しポンプ、ちり紙のモケモケ、デパートの屋上遊園地――
懐かしい昭和を舞台に、一人の少年の優しくも切ないひと夏を描く。
内容(「BOOK」データベースより)
「なあ、お母さんいつ帰ってくるん?」突然、小学3年生の真の生活から母が消えた。救急車で運ばれたこと以外は何も教えてもらえないまま、留守がちの父、そして水商売のおばとの、奇妙な三人暮らしが始まった。どこか穴があいたような気持ちを抱えていたとき、真の前に現われたのは、クラスメイトの双葉カオル。剥製のペットたちと暮らしている、ちょっと風変わりな女の子だ。ひょんなことから二人は、一夜の冒険をすることになり…!?昭和50年代、初夏の大阪。母親の入院の謎、大人たちの嘘。おだやかで残酷な日常が、少年を包みはじめる。待望の初書き下ろし長篇。