あとがきにもありますが、今回の主役は空(そら)です。
前作『お振るいあそばせ!』の主人公さくら(惚れっぽい、恋が生きがい)と違って、空は不器用で特別な人が作りにくい(この点では『罪と罰』の太郎やハジメに近いかな)性格のようで、前作とは全然違ったストーリーが展開されます。
本作では、空の恐ろしい一面が明らかになります。以前にやってた仕事や経験上、ある程度のつき合いがあればその人の癖(性格や筆跡など)が分かりますが(ネタバレ注意!)、空のとる行動には「ゾクッ」ときました。
私が本作でいいな、と思ったのは、61ページから63ページにかけての描写(演出)です。見せ方がとてもうまいと思います(鈴木先生の他作品では『あの子の腕は虹の続き』にもこの表現が使われています)。
また、他に本作といっしょに読みきりが2作収録されていて、『火花』は作品の解説にも書かれていますが、大人のラブストーリー(ただし設定は奇抜)で、『二人について』は身長差カップルのお話で、感情移入はしやすく感じました。