天才的な素人探偵・天地龍之介シリーズの短編集。この作品群のパターン通り、短篇とはいえ連作形式となっている。
今回は、龍之介君が始める教育事業の人材を探して全国を旅する、という設定になっていて、伊勢志摩とか、安芸宮島、秋吉台などなど、超有名観光地がじゃんじゃん登場する。そしてその合間に殺人事件に遭遇するのだ。もちろん、どの話も基本的に、龍之介君のすばらしい洞察力が迷宮入り事件を解決に導く、というのが骨子である。
このシリーズは結構好みでずっと読んでいるのだが、本作はどうも、各地の風景や風物、おいしい食べ物などがどんどん出てくるあたり、かなりテレビドラマ調。まあ元々そういう気はあったシリーズという話もあるが、ちょっと本作のつくりは極端である。チョイ役の美人もたくさん出てくるし、秋吉台の事件など、もう最初から最後まで映像的な見せ場のオンパレード。ちょっとやりすぎではないですかい?(龍之介シリーズは、この方向性でいくことにしたのかも。)