例えば第2章の書き出し, 「私はツタンカーメンの鼻の穴である。...」からも分かるように, 本書はSF (Speculative Fiction) あるいは, ある種の推理小説, 冒険小説としても傑作である. 「現代哲学への招待」シリーズに含まれているので, 間違う人もいるかも知れない. しかしいったん読み始めれば, その面白さにぐいぐいと引き込まれ, 哲学用語/語用の多用などはあまり気にならず, 一気に読み進むことができるだろう (実際私はほぼ一日で読み通してしまった).
私は認知意味論とメレオロジの関連から読み始めたので, 本書のような哲学的実在論に依拠した内容を評価できる立場にはないが, それはそれとして, ものもどきどもの跋扈する世界での, ものもどきどもとの戦い, 探求, そしてクライマックスをぜひ堪能されたい.
続編が待たれる.