地方紙7紙で1年に渡り連載された作品の書籍化です。
548ページにも及ぶ大作ですよ!
舞台は地方都市、熊本。
父親はリストラ寸前の冴えない営業マン
母親はパチンコに嵌まって闇金に手を出し
娘は父親のわからない子供を産み
息子は不登校の引きこもり
祖父は認知症
彼らをかろうじてつないでいるのは
娘の私生児である穂足。
破綻しかけで崩壊寸前
そんな海野一家を中心とした物語です。
序盤のそれぞれに問題を抱え、ギリギリの彼らの描写は
読んでいて胃が痛くなるほど。
しかし、ある事件をきっかけに奇跡の逆転劇に転じます。
前段の痛々しいまでの描写がしっかりなされているからこその
そのカタルシスが爽快です。
新聞連載作品ということでSF色は抑えられ
どちらかと言うとファンタジーという趣ですが
糜爛球ネタがあったり、機敷埜風天氏が登場したりと
濃い目のカジシンファンもニヤリとできるネタが随所にあって
そんな遊び心も心憎いです。
帯の呷り文にある「奇蹟系群像劇」というのは言い得て妙ですね。