経営に役立つ会計とはどうあるべきか。事業を安定軌道に乗せようと思うのなら、数字に明るく、しかも「安定性」を持続する会計でなくてはならない。安定は、「儲け」のなかから出てくるということも覚えておく必要がある。「儲け」るためにはどうすればいいのか。
その答えを導き出した著者が「なぜ」という言葉に徹底的にこだわり、追求する人だということが、この本を読み進めていくうちによくわかってくる。「簿外処理は一切許さない」「ディスクロージャーを徹底する」という一見当たり前の議論ながら、そこはさすがカリスマ性に富んだ著者。具体例を交えての論述には説得力がある。
「経営のための経理である」という「実学」は、経理を専門に勉強してきた人にとっては「目から鱗」の思いをするだろう。会計学とは経営哲学と完全に合致する理原則であることをあらためて認識させられる。(大高真子) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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特に印象に残ったのが、モノ・お金と伝票が必ず紐つく1対1対応の原則と標準原価計算の弱点の指摘です。
前者については当たり前の話ですが、これがなかなかできない会社が多い。基本の大切さとそれを厳守して運用している姿勢に感動しました。
後者についても、理論的には優れている標準原価計算をマーケットとの乖離や事務処理の増大等の観点から批判し、世の趨勢に背を向けて独自の採算!管理制度の長所を述べている部分は会計に携わっているものとして興味深い話でした。
経営トップの方はもちろん、企業の経理部門・会計士・税理士の方にもオススメです。
過去の職業経験を通じて付着した慣習とかルールとかパターン化された思考等の「垢」を落して、徹底的にロジカルに「考え、理解する」という感覚を覚えさせる。
で、この段階でほぼ5割程度の人が壁を超えられずにファームを去っていく。それほどに過去の慣習やルールを捨て去るのは難しい。
ちなみに戦略ファームでサイエンスやエンジニアリングの出身者がサバイブしやすい、というのはこの点で適正を有している人が多いためである。
で、この本を読んでいて恐ろしいのは、稲盛氏は、この漂白というツライ作業を自分で知らず知らずのうちに行っている点だ。
京セラ創業期に経理のシロウトであった稲盛氏とこの道ウン十年の経理のエキスパートとの間に起こる「なぜそうなるのか?」「いや社長、それはルールなんです」「ルールなんか知らない、こう考えるべきではないのか」「いや、そんな考え方は聞いたことも無い」・・・という会話は稲盛氏の「ルールとか慣習だから、という言葉に流されずに、あくまで自分の肝で徹底的に分かるまで考える」という職業態度が良く出ている。
一言で言うと稲盛氏の思考は徹底的なトップダウンである。利益を出す、という経営上のもっとも高次の目的から諸事の意思決定の考え方や基準を演繹的に導いている。
そして、このトップダウンで考えるという「技術」は、過去の直線状に未来が描けない現在のような時代において、まさに求められている能力なのだ、と僕は思う。
いい本です
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