どの話も稲川さんの独特のテンポで、飽きることがありません。今作は、ジックリと1人(もしくは2人)で聴くのにお奨めの郷愁怪談ではないでしょうか。
座長の怪談全てに共通することですが、既に聴いたことがある話でも、改めて聴きなおす度に違った味わいがあります。
今回も「生き人形」のような畳み掛ける勢いとは違い、ジンワリとくる怖さです。例えれば怪談ロックから怪談R&Bにテイストが変わったよう。無論、急にアップテンポで恐怖が襲ってくる作品もありますが、いずれも、その怖さは決して不快ではなく、逆に郷愁をも感じさせます。
怪談は聴き手の想像力に委ねられる部分もありますが、稲川さんの話術で、何時の間にか自分がその場にいるような臨場感に引き込まれるのがいいですね。
個人的なお奨めは王道の「慰霊碑」、「奥多摩の旅館」も怖いだけでは終らない日本の怪談です。