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種の起源〈下〉 (光文社古典新訳文庫)
 
 

種の起源〈下〉 (光文社古典新訳文庫) [文庫]

チャールズ ダーウィン , Charles Darwin , 渡辺 政隆
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

「なぜかくも多様な生物がいるのか」。ダーウィンはひとつの結論にたどり着いた。すべての生物は共通の祖先を持ち、少しずつ変化しながら枝分かれをしてきたのだ。つまり、「じつに単純なものからきわめて美しく、きわめてすばらしい生物種が際限なく発展しなおも発展しつつある」のだ。
 自らが唱える「自然淘汰による変化を伴う由来説」への反論、異論を封じて展開される下巻の各章は、現代の進化論の諸分野を網羅する。その先見性はまさに驚異である

内容(「BOOK」データベースより)

「なぜかくも多様な生物がいるのか」。ダーウィンはひとつの結論にたどり着いた。すべての生物は共通の祖先を持ち、少しずつ変化しながら枝分かれをしてきたのだ。つまり、「じつに単純なものからきわめて美しく、きわめてすばらしい生物種が際限なく発展しなおも発展しつつある」のだ。

登録情報

  • 文庫: 436ページ
  • 出版社: 光文社 (2009/12/8)
  • ISBN-10: 4334751962
  • ISBN-13: 978-4334751968
  • 発売日: 2009/12/8
  • 商品の寸法: 15.8 x 11 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 紫陽花 VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
まさに歴史を変えた名著の新訳版。一文が長くて分かり難い原文を直訳していた従来訳に比べ、生物科学の知識に基づいて原文を簡潔に区切って提示した訳者の力量により、その真価が明快に読み手に伝わって来る。下巻は全14章の内、第8章「雑種形成」から。

下巻では、自説に対して予想される反論への理論武装を予め行なっているように映った。ダーウィンは「原種→発端種→亜種→別の種」という連続的変化を考えていたから、その過程に中間種とも呼ぶべき物が存在していた筈である。また、変異は個体レベルで起こると考えていたから、原種と中間種との間の交配性(稔性)が零だとすると、進化は途絶えてしまう。逆に100%だとすると"種の分化"の概念が曖昧となるだけでなく、無数に存在していた筈の中間種の化石が残っていない理由の説明が必要となる。このため、「雑種の稔性」及び「地質学的証拠の不完全」を綿密に論じたものだろう。ダーウィンの周到性を感じると共に、グールド流の「断続」進化説の登場を予見していたとさえ思える。第10章では「地質学的変遷」に伴って、種の進化と絶滅が緩慢に起きる事、優勢な種ほど多数の新変種を生み出す事が改めて強調され、これが自然淘汰説を支持するものとする。第11,12章では種の地理的分布を考慮に入れながら、「種の創造は地球上の一地点でなされた」という重要な主張(その種が一組の共通祖先を持つ事とは別の意)がなされる。創造説への批判でもある。第13章では、「変異」と「自然淘汰」を基に生物相互の階層関係・系統性が論じられる。最終章は全体の要約である。

生存闘争、自然淘汰と言った新概念を打ち出した上巻に比べ地味に感じられる下巻だが、自説の補強のための論が今日的問題に繋がっている辺り、むしろ読み応えがあるとも言える。後世に大きな影響を与えた、まさに記念碑的著作である事を改めて感じた。
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8 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By mozartfan トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
 読みやすい新訳のおかげで上巻を読み終えました。次は下巻と期待して手にとりました。
 親切にも「下巻のための訳者まえがき」がついています。慎重なダーウィンが反論のすきを与えまいと先回りをして自説を展開しているため、読みにくくなっていると、渡辺氏はダーウィンの論理の幹を抜粋紹介しています。この8ページで下巻を読んだつもりになってしまいます。
 第8章「雑種形成」は後の著作「植物の他家受精と自家受精」「花の異形性」で詳しく論じられます。
 第9章「地質学的証拠の不完全さ」から第12章「地理的分布 承前」までは地史や地誌の考察に当てられています。
 第13章「生物相互の類縁性、形態学、発生学、痕跡器官」はとても読み応えのある章で下巻中もっとも面白いところ。
 第14章「要約と結論」で、まとめています。
 ところどころメモをしながら、とうとう読み終えることが出来ました。
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3 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
原文に忠実に訳そうとすることが良質な翻訳を生むわけではない。ダーウィンの思考の跡を読み解き、ときにはそれを解きほぐす作業が必要なのだ。(下巻より)

 耳が痛い話だ。こうしてレヴューを書く身にとって。ダーウィンが著し、渡辺氏が訳した本書を、私はどれだけ、正しく伝えられるだろうか。ひどくおぼつかないのだが、ある一面でも、ほんとうのことが伝えられたら、及第だろうか。
 ケンブリッジ大学在学中のダーウィンは、

必須科目の一つである神学の勉強では、美しい花が咲き誇り、蝶や蜂が飛び交い、小鳥が囀る長閑な田園風景こそ、神の慈悲と恩寵の表れであると説く自然神学の解釈に感動した。そして、昆虫採集や自然観察・地質学の実地調査などに夢中で打ち込んだ。(上巻より)

 まず、ダーウィンにそんな過去があった、という事実に驚かされた。創造説の信奉者だった彼に、転機が訪れた。ビーグル号乗船という転機が。この経験を通して、彼の「神」への崇拝の念は、「自然」・「時間」への崇拝へと流れこんでいく。
 「自然」へ。

「自然淘汰」は絶え間なく作用しうる力であり、「人工物」と「自然」の作品とを見比べればわかるように、人間の微力な努力とは比べものにならないほどの威力がある。(上巻より)

 「時間」へ。

膨大な時間の経過について幾分なりとも理解したいと望むならば、大量に積み重なった地層を何年もかけて独力で調べ、海が古い岩を削り、新しい堆積物を作る様を眺めねばならない。膨大な時間が刻んだモニュメントはいたるところにあるはずなのだ。(下巻より)

 渡辺氏の訳を通じて、ダーウィンの表現者への憧れが伝わってくる。

私はと言えば、ライエルの比喩を借りてこう言いたい。自然界の地質学的記録は、変わりゆく方言で書かれ、しかも不完全にしか残されていない世界の歴史である。その歴史についても、われわれの手元には、わずか二、三カ国だけを扱った最後の一巻しかなく、その巻にしても、あちこち短い章が残されているだけで、個々のページもわずか数行ずつしか残っていない。歴史を記しているとされる言葉もゆっくりと変化を続けており、飛び飛びに続く章のあいだでは単語も少しずつ異なっている。(下巻より)

 その他、上巻では奴隷狩りをする変わった本能を持つアリに対するダーウィンの心のときめき、下巻では種子の分布を検証するために行った彼の実験、などが私には、おかしかった。
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