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税と社会保障の抜本改革
 
 

税と社会保障の抜本改革 [単行本]

西沢 和彦
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

危機的な財政難。もう先送りは許されない。解決のため政府が検討している「税と社会保障の一体改革」とは何か。消費税、所得税、年金、医療、子ども手当など税・社会保障を取り巻く課題を徹底追求し、あるべき改革の道筋を提言!

内容(「BOOK」データベースより)

政争から政策へ。税と社会保障の問題から逃げてはならない。超高齢社会を迎えた国で危機的な財政難は解決できるのか。消費税、所得・住民税、年金、医療、子ども手当、給付付き税額控除など税と社会保障の諸テーマを制度・財政両面から徹底分析。未来にツケを回さないために、今、抜本改革を提言する。

登録情報

  • 単行本: 351ページ
  • 出版社: 日本経済新聞出版社 (2011/6/25)
  • ISBN-10: 4532491231
  • ISBN-13: 978-4532491239
  • 発売日: 2011/6/25
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.4 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
税と社会保障について現制度の仕組み、著者の考える問題点、政策提言が述べられている。このテーマは我々の懐、将来の保障に直接かかわってくるテーマであるにもかかわらず、現在の仕組みやその前提となっている条件について本当に理解している人は自分も含めて少ないんじゃないかと思う。本書は一部専門的すぎるところはあるが、きちんと今の仕組みと問題点、政策オプションを理解するのに有益。

著者の主張で一貫しているのは、負担と受益の関係を明確にしていこうというもの。現在の仕組みは制度間での費用移転などで負担と受益の 関係が極めて見えにくいものとなっており、これを明確にすることが我々国民が政府へのガバナンスをきかせるためにも不可欠であり、著者の考え方には賛同する。具体的提案としては従来から著者の主張する歳入庁構想や国民背番号の導入などに加え、給付付税額控除が提案されている。著者の主張は増税や一部のグループの負担増ともなる「痛みを伴う」内容であり提案内容には賛否両論あろうが、議論の叩き台を提供してくれている。

著者が2008年に著した「年金制度は誰のものか」からの変化として、民主党政権の本テーマへの取り組みへのいら立ちと、自民党への叱咤激励を感じた。
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16 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
受益と負担の関係が明確であるべき社会保険料と所得再配分機能を持つ税とが複雑に入り組み、公的機関が運営する制度の不備を埋めるため民間が運営する制度の資金が徴用され、更に国と地方が複雑に関係しあう現在の制度がどれほど分かり難く非効率なものになっているかが豊富な資料を伴って手に取るように分かる。そうした仕組みを作り上げた厚労省をはじめとする利害関係者の思惑、意図的とも思える不完全な情報開示、それを背景に繰り広げられる100年安心、2.3倍貰える年金、後期高齢者差別といったデマに近い情報操作がどれほど国民の目を曇らせているかということにもあらためて気付かされた。
とかく財源問題にばかり目が行きがちな社会保障改革だが、筆者が主張する通り、制度そのものに光を当てて抜本的に改革しなければならない現状が良く分かった。寝転んで読める本ではないが、文章は簡潔で分かり易く、税と社会保障を考える上で必須の知識と視点が得られる貴重な一冊だと思います。それにしても、これだけ調べるのは大変だったでしょうね・・・・
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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 西山達弘 トップ500レビュアー
今政府では「税と社会保障の一体改革」が議論されている。
本書は、これら議論へのまさに「抜本」的な改革試案である。

消費税、所得税、年金、健康保険、そして子ども手当まで包含し、問題点と課題を詳細に分析しつつその改革の方向性を明確に示している。感情論にとらわれずに冷静かつ客観的に論を進めている。

いろいろと教えられることがある。
・すでに消費税は基礎年金、高齢者医療、介護にのみ充当されると規定されている。しかし、消費税の規模は9.6兆円。そのうち3割が地方交付税に充てられ、残りの6.8兆円ですでに福祉に必要な16.6兆円に対して9.8兆円も不足している。
・配偶者控除の廃止についての考察。男性も女性もすべての成人が労働市場に出て働く社会を目指す必要がある。配偶者控除の廃止は、女性就労の障壁除去と一体的に進められなければならない。
・後期高齢者制度についての検討も興味深い。詳細な分析を通じて、高齢者に極めて有利な制度設計となっていることを明らかにしている。これに加えて、制度導入時に継続して行われている保険料軽減策、70〜74歳までの自己負担割合1割への凍結継続を元の姿に戻すことを提言している。さらには、被用者健保から国保への所得移転の拡大は国保の財政を支援しているようで国保への流入を加速させている。これを根本的に是正するためには、後期高齢者支援金や前期高齢者納付金の廃止か縮小しかないとしているところは注目したい。

そして、今話題の「給付付き税額控除」についても、英国や米国における具体例を紹介しながら、まさに税と社会保障をセットにしながら制度設計をしなければならないことを論じている。

この国の社会保障の問題は単純に消費税の引き上げだけでは解決しないことを痛感する。
本書が、広く国民的議論のためのたたき台となることを切に願いたい。

ここでは、英国の社会保障給付の考え方が参考になる。
「税制も社会保障制度も就労インセンティブ向上と貧困削減のための手段提供という同じ目的に向けて役割を果たすべきだ。」
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