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移行期的混乱―経済成長神話の終わり
 
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移行期的混乱―経済成長神話の終わり [単行本]

平川 克美
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

人口が減少し、超高齢化が進み、経済活動が停滞する社会で、未来に向けてどのようなビジョンが語れるか?『経済成長という病』で大きな反響を呼んだ著者が、網野善彦、吉本隆明、小関智弘、エマニュエル・トッドらを援用しつつ説く、歴史の転換点を生き抜く知見。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

平川 克美
1950年東京生まれ。1975年、早稲田大学理工学部機械工学科卒業。渋谷道玄坂に翻訳を主業務とするアーバン・トランスレーションを設立、代表取締役となる。99年、シリコンバレーのBusiness Cafe,Inc.の設立に参加。現在、株式会社リナックスカフェ代表取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 262ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2010/9/9)
  • ISBN-10: 4480864040
  • ISBN-13: 978-4480864048
  • 発売日: 2010/9/9
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.4 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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By トップ500レビュアー
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鎌倉時代の人口は800万人、江戸時代は3,000万人、明治時代から急激に増え始め2006年の1億3,000万人をピークとし急激に減少しつつある。
日本は現在、移行期的混乱期に入っている。価値観を脱構築し再構築すべきではないかとの問題提起である。
裏打ちとしてエマニュエル・ドットの考察及び戦後の価値観の変遷の特徴が述べられている。
.60年代のトピック
高度成長の時代。所得倍増計画。
誰にも見られず、誰にも褒められをしないにも拘らず「仕事」に打ち込むという労働エートスの時代。
.70年代
消費資本主義。一億総中流幻想の時代。
生きることは働くことでなく遊ぶこと。
象徴するメディアはテレビ。
共同体・家族構造の変容。
コンビニの隆盛。
.80年代以降
金融資本主義(グローバリズムの跋扈)
新自由主義の幕開け(日本的経営の崩壊)
全てが金銭に換算される価値観への収斂。
共同体・家族構造の解体。
インターネットの時代。

現在の日本においては、何の疑問もなく成長一点張りの議論が喧しいが1956〜1973年の高度成長期、1974〜1990年の相対安定期、1991〜2008年の停滞期の成長率はそれぞれ9%、4%、1%で段階的に下降している。皆、まだ成長の夢を見続けているのではないだろうか。
しかし、パラダイムの転換が必要ではないか。ということである。
そう言われればそうだ。解決策は自ずから出てくるのであろう。
こうして見てくると、テレビの時代が既に黄昏に入っていることも見て取れる。
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By 麒麟児 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
Amazonが確認した購入
冒頭、一つのグラフ(29頁)がまず目を惹き付けてやまない。即ち、著者曰く「戦後六〇年の間に、経済成長率はほぼ二〇年(正確には十七〜十八年)をひとつの単位として、大きく三段階のサイクルで変化している」(28頁)というのであり、1956〜1973年の高度経済成長期、1974〜1990年の相対的安定期、1991〜2008年の停滞期の経済成長率は、それぞれ平均9.1%、3.8%、1.1%と段階的に下降している。これは何を意味するのか。そして、これからの日本で何が起きようとしているのか。詳論(種明かし)は本書を繙いて頂くとして、下村治、吉本隆明、E.トッドなどの所論に依拠しながらの著者の誠実な思索を追体験しながら味読したい好著である。

「問題なのは、成長戦略がないことではない、成長しなくてもやっていけるための戦略がないことが問題なのだと」(141頁)。
「経済成長のパイとは総人口(総労働人口と総消費人口)そのものであり、他のパラメータとしては、労働生産性と企業による設備投資があるのみである」(141頁)。
「個人の欲望の追求が極限まで進んでいけば、それぞれの欲望は決まったパイをめぐって激しく衝突し、その衝突の調整や、衝突の回避に向けたエネルギーが、パイ自体を拡大するエネルギーを凌駕するようになる」(143頁)。
「人口減少局面とは、民主化の伸展によって女性の地位が向上し、家族形態が変化し、関係が分断され(むしろすすんで孤立化し)、個人中心の生き方ができるところまで文明が進んだことの複合的な結果であり、・・・ むしろ人口が減り続けることだけが、人口減少を食い止めることができるのだとわたしは考えているのである」(189〜190頁)。

今更計画経済ではあるまいし、「経済成長戦略」の立案なんて可能であろう筈もない。それは一発逆転の夢か、著者のいう「責任転嫁」(140頁)に過ぎないことは自明であろう。
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By Coffey man トップ500レビュアー
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戦後日本は高度成長を経て、マイナス成長、人口減少の局面に相対しています。人口減少局面における経済均衡、もしくは縮小は歴史的に例がなく、それを前提とした社会運営を考える必要に迫られています。しかしながら、政財官ではいまだに、人口増大局面における経済成長を前提とした社会運営をすすめようとしています。少子化対策や経済成長戦略はそのいい例です。著者の平川氏によると、現在は社会運営の考え方自体のパラダイムを変換局面であり、パラダイムの移行期による混乱の時期だそうです。そのため、スポット的な「傾向と対策」などではなく、人口増大局面の思考をすべて問い直すことが必要だと述べられています。

平川氏の抑制の効いた語り口は、事実を積み重ねて丁寧で説得力がありました。ならばそのような対策を実施すればよいのではと思いますが、ここはまさに「言うは易し、行うは難し」の部分なのでしょう。前例のない事態を解決することに官僚はすこぶる苦手ですし、財界はとりあえず次のアニュアルレポートの公開でクビにならないことが第一優先になっています。政治家にも選挙と支持率という足枷がパラダイムの変換を妨げています。

まずは、この移行期的混乱を生き抜いていかなければなりません。問題は成長戦略がないことではなくて、成長しなくてもやっていけるだけの戦略がないことなのだと平川氏は述べています。秀逸です。一読をお奨めします。
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