少しでも外国で過ごされたことのある人なら、些細なことで悲しくなったり、心許なくなったり、むっとしてしまうことを経験されていると思います。はやく帰国命令でないかな、とか後数年頑張ったら日本に帰るぞ、と帰国を心の支えにして仕事したり、勉強したりされている人も多いでしょうし、あるいはもう嫌だ日本に帰る、と帰国した人も多いのではないでしょうか。
帰る国のある人はいい。でももし、海外に滞在している間に母国に政変が起こり、帰れなくなったとしたら?
誰もが、移民として生きていかなくてはいけない可能性があるのだと思います。
この本は人権の国フランスで生きる、様々な立場の移民たちにインタビューを試みた、画期的なものです。今までも同様の本はないではなかったと思いまち?が、新書で手軽に読むことができるのはとてもありがたいです。
読みながら、日本はフランスほどの規模で移民を迎えた時、フランスと同じくらいの保障を約束できるのかな?などと考えていましたが、途中で自分を「入れてあげる」側の人間と想定して読んでいた不遜さに気付き、今度は自分が移民になったらどうやって生きていくんだろう?と自問しつつ読了しました。ますます小さくなる世界で生きていく上での様々なことを考えさせてくれる良書と思います。
しかし他のレビュアーも仰っているように、私もこの本の翻訳には不満です。
もっとも、移民のあまり堪能でないフランス語を表現するためにわざと悪文にされているのかもしれませんが。