厚いからわかりやすい本というのがある。この本もそれにあたる。どうしてそうなってるの?という質問を前提に書かれており、さらに税法上の難解な概念もわかりやすく説明できる才能も備えておられる。
驚くことに、この著者は1930年生まれというのに、毎年変わる税法の中身取り込むための改訂作業を自らの手でおこなっておられるということを<序>に書かれている。で、中身を読み進めていくと最新の改正事項はもちろん新しい研究成果もフォローしていることがよくわかる。
法人税の課税根拠についての説明では、実在説と擬制説で解釈して比べてみるのではなく、所得税の前とりか、法人の担税力に着目した租税かという建て方をそのなかでの比較をしている。その他の部分でもわかりやすくするための独自の工夫がみられじっくり読めば必ず実となっていくように思われる。
税法をじっくり基礎概念からかなり高度な理論までをフォローをしているので最初に備えるべき本である。全くの入門者であるなら、薄い入門書と併読するのがいいかもしれない。