絵本に出てくる料理の本といえばいまや書店にも様々なムック本がずらりと並びちょっと
したブームのようになっています。
しかしこの本はそういった料理本とは一線を画すように見えます。深い知識を持った作者が
「秘密の花園」の書かれたヴィクトリア時代の食生活を忠実に再現しているところがこの本
の最大の魅力です。それなのでレシピとして使うには難しいところもあり、作者自身が「電気
やガスのオーブンでは難しい」などと言っている部分もあります。
気軽に作るとはいかないかもしれませんが、物語の場面から発想した7つの献立それぞれに
添えられた美しい挿絵や、ヴィクトリア時代の食事情を教えてくれるコラムはとても質の高い
ものだと感じました。
訳者の北野佐久子さんの「美しいイギリスの田舎を歩く!」にも出てくる「パーキン」という
お菓子も紹介されているのですが、「ヘルシーな配合」だと思っていたのが実は貧しい人の
お菓子だったからと気付き驚きました。当時はお金持ちは一日5食のリッチな食事をとり、
貧乏人は雑穀がたくさん混じったお砂糖ちょっぴりのお菓子でもごちそうだったのですね。
読み返すたびに新しい発見があるのがうれしい本です。