「いしかわじゅん」といえば本業はもちろん漫画家なのだけど、彼自身がかなりの「マンガ読み」ということもあり、最近では「漫画評論家」の方が通りがよかったりする。有名どころではBSマンガ夜話のレギュラーや手塚治虫文化賞選考委員なんてのもやっていた。
彼はこれまで「漫画の時間」、「漫画ノート」という2冊の漫画評論を書いており、これが3冊目。今までは雑誌に掲載されたものを集めていたのだけど、今回はネット連載を単行本にしており、大きな違いは
「字数制限がない」
こと。この字数制限がないというのは本人も言っている通り書きやすいのだろう。文字数を気にすることなく理路を尽くして説明できるし、多少脱線してもOK。この本も1コラムあたりの文字量がこれまでの2冊より確実に増えていて、それがいい結果となっている。過去2冊で感じたつっこみの浅さは無く、とりあげた漫画についてのいしかわじゅんの思いが十分に伝わる。
惜しむらくは全体を通して文章を再考しきれていないので、同じ話が何度も繰り返し出てくること。重複部分はもう少し削ってほしかった。
とりあげている漫画家は本当に幅広く巨匠から新人、劇画から4コマ、エロから少女漫画となんでもござれ。そのレンジの広さは驚嘆に値する。
高かったのでちょっと買うのを躊躇したのだけど、満足。