林真理子さん、初の児童文学。そうは言っても、ぐいぐい読ませるところはさすがです。
正直、林さんにはちょっと偏見を持っていて、現代風な作風についていけないかなと思っていたのですが、この作品はお嬢さんのために書いたと言うだけあって、夢のあるファンタジーです。
現代っ子の話し方は、文章にするとケータイ小説的な安っぽさ、薄っぺらさを感じさせるように思うし、このお話も若干そういう部分は癇に障るけれども、それほどイヤミではないかもしれない程度に感じます。品がある、というか。
主人公二人が実際には一度も会ったことがない、という設定も良いし、きっと近い将来出会うのだ、という期待が感じられるところも、ラストにまで夢があってドキドキ出来て、すごく良いと思います。
更に児童向けバージョンもありますが、これでも小学生なら読めるのじゃないかと思いました。
意外にも戦争を知らない世代が、戦争を身近に感じる設定なので、夏の読書感想文にも良いのではないでしょうか。親が離婚していたり、不登校だったり、お母さんに八つ当たりばかりしている主人公に感情移入する子ども達も多いかもしれません。