書名のとおり、普通の観光地などは歯牙にもかけずにひたすら辺鄙な土地を「秘境添乗員」と
して巡る著者の活動記。かなりきわどい行程でもあるので、実際に旅に参加するとなると、尋
常でない辛苦を味わうことになりそうです。
とはいえ、本書の約半分以上は著者が「秘境添乗員」になるまでの記録に割かれており、それ
はそれで面白いのですが、一冊丸ごと秘境めぐりに期待していたので、少し肩透かしを食った
ような感もあります。
また、「秘境」といっても人跡不確かな僻地を巡るというよりも、アルジェリア遺跡巡り、
ピースボート関連のインド闇社会の話など、どちらかといえば政治的な空白を生じた土地への
潜入を試みるかのような行動が多いので、冒険と言えば冒険ですが、「秘境」という言葉に魅
せられて購入すると、少し「アレ?」と思うかもしれません。著者曰く、「秘境添乗員」には
2種類あって、ジャングルをかき分けるようなエコツアー派と、著者のように古代遺跡巡りを
行う添乗員とに分けられるとのことですから、私が勝手に前者をイメージしてしまったという
ことですね。
個人的には「やった。」(坂本達 著 幻冬舎文庫)等の作品の方が、「秘境」巡りという点
においては、しっくりと来ました。