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40 人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
『秒速5センチメートル』の真意が明らかに。,
By saltea (埼玉県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 秒速5センチメートル one more side (単行本)
『秒速5センチメートル』が今度は加納新太先生によるノベライズで返ってきました。装丁は綺麗で文字も黒色印刷ではないところが素敵です。私は、原作である新海誠監督によるアニメーション映画と、新海監督が著した『小説・秒速5センチメートル』も読みましたが、これらと比較してみると本作は主人公が変更となっています。 つまり、桜花抄では明里視点(原作では貴樹)、コスモナウトは貴樹視点(原作では花苗)、秒速5センチメートルでは貴樹と明里の交互の視点(原作では歌と映像のみ)で描かれており各話で中心に動く主人公が原作とは違うので、ある時にはまるで違う話のように感じられるのです。 桜花抄では、明里が発した「秒速5センチメートルなんだって」という言葉に込められた本当の意味が明らかになり、これは大変に興味深く切ないものでした。 次にコスモナウトでは貴樹が主人公となったことで、彼の人間臭さと計算高さを感じました(笑)煙草を吸ってたり、花苗のお姉さんである澄田先生と陰で何回か話してたり、それで本当は花苗の気持ちを十分に知っていたのに、意識的に近付いたり遠ざかっていたりしたこと。貴樹の心にはそうしなければならない、痛みや男のプライドがあったのでしょう。 そして秒速5センチメートルはおおむね原作通りに進みますが、明里の結婚や就職についての思いが明らかになります。そして最後には、あの日貴樹と明里が書いたお互いへの手紙が載っています。 総合的な感想を書きますと、まず花苗だけが好きな方は原作以上にピックアップされた場面はほとんどありませんのであまりオススメできません。一方貴樹や特に明里が好きな方は本作品を楽しめる気がします。 しかし思いの外、原作+αとして冒険した場面が少なかったかなといった印象です。また、全体的に改行が多めで貴樹が見る夢の描写などは詩や悪く言えばケータイ小説のように思えてしまいます。この辺りは評価が分かれそうなところです。 私としては、完璧とまでは評価できないけれど、これもまたひとつの秒速5センチメートルだと感じます。本棚に入れたくなる一冊だと思います!
10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人を切実に、誠実に想うということ。,
By 荒野の狼 (京都府京都市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 秒速5センチメートル one more side (単行本)
映画もその後の小説も漫画も読みました。そしてここに辿りつきました。通勤電車の行き帰りに残りのページが少なくなるのを惜しみながら一気に読み終えました。率直に、今回の『秒速』も良かったと僕は思います。大切な言葉が大安売りされている時代です。しかし、貴樹も明里も相手のことを想いながら、自分も成長させようとするところに僕は心を打たれました。言葉を使うことによって相手や自分をごまかしたりしない純粋さに心を打たれたのです。将来お互いが結ばれえないのだとしても、相手の未来の幸福を祈り、また二度と会うことがなくとも、自分の心の中で生きる初恋の人に対して恥じることのない立派な人間でありたいと願う彼らの気持ちは本当に美しい。彼らの互いに相手を想う気持ちは馴れ合いによって生まれ、進んでいくものではないのです。 そんな風に真剣に相手を想う二人の姿を読んでいると、やっぱり最後に結ばれてほしいと読者である私は思ってしまいます。僭越ながら、僕自身にも似たような経験があります。長い間、私自身が自分の初恋に悩んだ末に出した答えが、本書の最後の貴樹と明里の手紙に描かれていて、驚きとともに本当に救われました。また貴樹を心の中で想い折れそうになる自分を支える明里にかつての私自身の姿をみることができました。確かに悲しいけれど、私は自分の恋の仕方を認めることができたので本当に救われる一冊でした。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
中途半端,
By
レビュー対象商品: 秒速5センチメートル one more side (単行本)
本書ではアニメや小説・コミックスでは触れられていない高校卒業から結婚までの明里についての人間臭い描写が幾つか有ります。そう言った点では確かに新鮮味が有るのですが、「秒速」という作品にとってこのような過度な描写はノイズにしか成り得ないと感じました。 むしろここまで別視点の描写に拘るならば、クライマックスの踏切でのシーンを明里視点で描いて欲しかったです。 貴樹視点での描写はアニメや小説・コミックスで描かれているので、このシーンを明里視点で描く事の意義は充分有ると思うのです。 結論を申しますと、アニメや小説の世界を大切にしている方や、コミックス版のような新展開を求める方は本書を読む必要は無いでしょう。
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