ここのレビューを見て、面白そうだと思って買った本。少し前のものですが、おかげで中古商品としてお安く買えたのでよかった。
表紙に書かれている通りの内容で、第一線の日本人研究者たちにインタビューして、子供時代から今までの道のり、科学者を目指したきっかけ、各自の研究の簡単な紹介、そして科学者を目指す若い人たちに向けてのメッセージが書かれています。
野依良治、中村修二、毛利衛、浅島誠といった大物もいるし、年齢的にはそうでもないけれど注目すべき研究成果を挙げていた当時の中堅・若手の研究者も積極的に取り上げているところが特徴。iPS細胞の研究で今や知らない人が少なくなった山中伸弥教授も、時代に先駆けて取り上げられている。女性研究者も何人かいて、女性ならでは苦労だけでなく、直ぐに顔と名前を覚えてもらえるといったメリットも語っている。
科学者になるくらいだから、元々科学への関心が高かったり、理数の素養のある人が多い。しかし、中には、数学が嫌いだったとか、高三の模試で物理は100点満点中5点だった、学生のときは途中まで遊んでばかりで勉強なんてしなかった、などという兵ものそれなりにいる。あと、アメリカへの留学経験を持つ人がとても多いのが印象に残った。そして、それが明らかにスキルや実績の向上に役に立っている例も目に付く。そのままアメリカに残らず、ちゃんと日本に戻ってきている人が多いのは日本の科学者の特徴でもあるように思う。
全員に共通していることがひとつある。それは研究が好きでたまらないということ。「趣味と実益が一致した職業」と言い切る人もいる。どうやって食べていこうかという悩みや、結果を出さなければならないプレッシャー、そして連続する失敗の中で、考え続けて実験にいそしむ科学者たちの根気強い姿勢と熱意が行間から滲み出ている。
高校の教室の片隅に一冊置いておくと、こっそり影響受けてる生徒が一人くらいいそうな本、という感じである。内容が少し古いので、4つ星。