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科学者とは何か (新潮選書)
 
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科学者とは何か (新潮選書) [単行本]

村上 陽一郎
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,050 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

危険な一面を持つ閉ざされた研究集団の歴史と現実。19世紀に、キリスト教の自然観の枠組からはなれて誕生した科学者という職能。その行動規範を初めて明らかにする書下ろし。科学者は研究に伴う責任をどう考えるのか。―自然と人間の相互作用を読みこむ新たな科学観が問われる。転換期の科学者像を探る。

内容(「MARC」データベースより)

19世紀に、キリスト教の自然観の枠組からはなれて誕生した科学者という職能。科学者は研究に伴う責任をどう考えるのか。危険な一面を持つ閉ざされた研究集団の行動規範を明らかにする。〈ソフトカバー〉*

登録情報

  • 単行本: 186ページ
  • 出版社: 新潮社 (1994/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4106004674
  • ISBN-13: 978-4106004674
  • 発売日: 1994/10
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 66,067位 (本のベストセラーを見る)
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18 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 人間の生活を飛躍的に快適にさせたいっぽうで、大量殺戮や環境問題の要因にもなってきた科学。今後われわれは、この科学とどのように接していったらよいのか。そして科学を創出する科学者のあるべき姿とは何かを論じている。

 時代の流れを追う形で本書は進む。科学という概念の誕生から始まり、20世紀に起きた大きな社会的事件と科学との関連性を述べるにいたる。

 科学の果たす社会的役割が大きく深くなってきた現在、科学を科学の領域のみで捉える見方はもう通用しなくなったと著者は言う。そうした流れの中で21世紀の科学を捉えれば、文化として人間の生活の中に科学が浸透していくことがいかに重要であるかがわかってくる。

 科学者を目指す人はもちろんのこと、自分は科学とは関係ないと思いこんでいる人々にも、科学に接するきっかけとして読んでみることをおすすめする。

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5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 本著では、IRB(Institutional Review Board)という制度を引き合いに出し、「説明の義
務を果たすことは研究者の集団のもつ閉鎖性に対して極めて重要な改革の一撃」としてい
る。この制度は、研究者が、自分の研究内容を、同業者でない、他の領域の、あるいは一
般の人々に説明し、十分納得させなければならないことを要請している。

 説明の義務を果たすことに対して、科学者・研究者の集団はつい最近まで難色を示して
きた。科学者・研究者の集団は、同一の専門領域の同僚に成果を認められさえすればそれ
でよしと考え、外部社会に誰がどのように責任をとるかをあまり議論してこなかった。極
めて自己完結的な集団であり、村落共同体に例えられているのも頷ける。

 一方、医療業界においては、インフォームド・コンセプトという概念が広まっており、説明
の義務を果たすことは、市民権を得ている。医師は、絶えず臨床という形で研究成果を外
部社会に還元することを求められてきたため、説明の義務を果たすことに対して抵抗感は
少なく、その点で科学者とは対極に位置しているように思われる。

 話は変わるが、日本の大学では、性格の異なる医師と科学者が同じ教員という身分で籍
を置き、並存している、あるいは一人の人間が双方の役割を兼ねている。そう考えると、
極めて特殊な環境ではなかろうか。外部社会に対する説明の義務を果たそうとする医師と、
それを同業者のみにとどめようとする科学者とのせめぎ合いが、集団の内部、あるいは一
人の人間において起きるのである。

 本著は、科学者・研究者の集団の行動様式や、その背後にある倫理問題について、歴史
的な観点から考察している。メッセージは率直である。新たな時代の科学者は研究環境を
透明化すべし。村上陽一郎氏は、国際基督教大学大学院教授、専門は科学史や科学哲学
(1994年執筆当時)。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By dvrm トップ100レビュアー
形式:単行本
 村上陽一郎氏の科学の制度史的な著作だが、以前読んだのが「文化としての科学/技術」で歴史的社会的位置付けが主だったのに比べ、本書では、科学者という存在はどんな行動様式をとっているのか、科学者共同体とはどんな風に形成され、維持されているのかを人類学的に記述している部分が出色だった。話として扱っているのは九割以上自然科学の分野の研究者共同体の生態で、その独特の価値感覚の具体例は生々しい。他から抜きん出ようとする行動の数々や身内びいき、そして例として挙げられている学会での村八分的扱いは、「頭のいい人たちは制裁行動もねちっこいな」と思わせる独特のものだ。

 話の枕に唐木順三が使われているのにも驚いた。ともあれ、今だから改めて考えてみたい「社会における科学」についての議論のたたき台になる著作だと思う。
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