題名や本文のおちゃらけた文体だけから判断して,結構くだらない本かと思って読み始めました.ところが,内容は至極まっとうで,理系の研究者って何やってるの?という疑問にほぼ全て答える内容となっています.
更に,院生やポスドククラスの若手研究者が読んでもためになる色々な情報が網羅されていて,とてもためになります.国内学会発表,国際学会発表,論文執筆のコツや他の研究室を訪ねる時に喜ばれるお土産など,内部の事情に熟知した人しか書けない内容になっています.
文体はおちゃらけているけど,よく読むと本当に頭のよい人が書くわかりやすい文章だと思いました(なんと言っても著者は東大の理3出身ですよね!!).また,そのおちゃらけ具合が,かえって読者を惹きつけます.読む者を飽きさせません.
私も,理系の研究の現場に身を置く立場ですから,「研究者って普段,何やってるの?」と訊かれたら,まずこの本を一読することを勧めるでしょう.
ただし,あえて一つ苦言を呈するならば,著者の頭がよすぎるということです.国際会議の招待講演や基調講演の依頼などが来る人は,若手の私から見れば鉄人です.研究者の世界はそんなに甘くありません.
しかし,いずれにしても,理系研究者の内部事情を広く,そこそこ深く描いた良書であることは間違いありません.