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科学嫌いが日本を滅ぼす―「ネイチャー」「サイエンス」に何を学ぶか (新潮選書)
 
 

科学嫌いが日本を滅ぼす―「ネイチャー」「サイエンス」に何を学ぶか (新潮選書) [単行本]

竹内 薫
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

なぜ米国が「科学の覇権」を握ったのか。外国の科学者は福島原発事故をどう考えたのか。英米の二大科学誌を繙きながら、日本の科学力の未来を見通す。

内容(「BOOK」データベースより)

世界に君臨する二大科学誌「ネイチャー」「サイエンス」を舞台に、科学者たちは国家の興亡を賭けて、熾烈なる競争を繰り広げてきた。なぜ米国が「科学の覇権」を握ったのか?一流科学者が嵌った盗用・捏造・擬似科学の罠とは?福島原発事故を世界の科学者はどう見ているのか?知られざる“科学戦争”の最前線から、科学立国ニッポンの未来を読みとく。

登録情報

  • 単行本: 220ページ
  • 出版社: 新潮社 (2011/12/22)
  • ISBN-10: 4106036959
  • ISBN-13: 978-4106036958
  • 発売日: 2011/12/22
  • 商品の寸法: 19.4 x 13.5 x 2.3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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私は、アメリカの大学の大学院でPh.D. を取得する論文を書くときに、アドバイザー(指導教官)から、1本は「ネイチャー」に、1本は「サイエンス」に、1本は専門誌に投稿する様式で書いて、それらをまとめて自分の論文とするように言われた。教授の仕事は研究予算を獲得するために「グラント'プロポーザル」を書き上げ、提出する。アメリカの大学の科学研究費は、農学系ならUSDA、基礎科学ならNSF、医学系ならNIHと、それぞれ管轄する国の省庁が異なるが、ネイチャーとサイエンスに論文が掲載されることは、グラントを取り易くするに足る「インパクト」のある研究をしているという実証にもなっていると思う。私自身の論文は、ネイチャーとサイエンスに投稿したが残念ながら門前払いを食った。アドバイザーは、「ネイチャーとサイエンスに載るのは、ロシアンルーレットで当たるようなものさ」と笑っていた。もちろん、英語という壁はあるが、本書は、日本にいると「ネイチャー」と「サイエンス」がこんなに遠いのだろうと言う問いにストレートに答えてくれた。2誌の歴史的背景がわかり、視点を変えて2誌を読んでみたくなった。
私が大学時代は、物理学の竹内均先生が科学を一般の人に対してわかりやすく解説し、雑誌「ニュートン」を創刊した。現在では、福岡伸一先生や、本書の著者のように、しっかりした科学の啓蒙書を書いてくれる人がいることがうれしい。
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「バーバリアンがよってたかって日本をぶっ壊している様子を見ているようだ。 」事業仕分けの際、立花隆が吐き捨てたことばが耳に新しいが、あの一件が、科学離れという病いが、一般人だけでなく政治家にまで蔓延している事を象徴している所に日本の危うさを感じずにいられない。

日本も、ここまで来たら科学教育の枠組みを抜本的に改革しなければならないのではないだろうか?

最低でも、政治家が(国民も含め)科学を短期的な功利主義のレベルだけではなく、長期的に評価できるレベルにならなけば、このまま、科学のフリーライダーを続けていると、資源の乏しい日本は本当に滅んでしまうと思う。   
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竹内氏は、言っていることは厳密な意味では正しいのに、普通の感覚で読んだらまず誤解をうむであろう表現を好むので、あまり信頼できない印象があったが、本書はわりときちんとした内容だった。

前半はネイチャー、サイエンスの創刊や変遷、学術誌の査読システム、科学的発見が公表されるまでの過程やインチキ論文の掲載など、科学の「人間的で社会的な側面」をエッセイ調で解説している。中盤では科学分野における英語力不足の問題、はやぶさ人気で予算が復活したことへの苦言など。科学予算は人気で判断すべきではないという。その通りだが納税者を無視するわけにもいかないし、少しはエンターテイメント性が求められるのは仕方ないような気がする。

個人的に気に入ったのは震災問題について。情報をよく吟味せずに恐怖でパニックになった知人への苦言。そして「想定外の人災」たたきは後出しじゃんけんだと諫めている。マンパワーも金も無限につぎ込んで災害対策をするわけにはいかない以上、どっかで線引きしないといけない。その線を越えたら「想定外」となるわけだ。だから原理的に「想定外」をなくすのは無理。ではその想定が不十分だと言うなら、なぜ先に言わないのか。ことが起きてから叩くのは結果論。マスコミ、文化人は右から左まで想定外叩きだし、科学者の中にも尻馬に乗っかる人がいて辟易した。深い分析が行われているわけではなくあくまで一般論を出ていないが、著者のようなどっちかというと”主流派”に属さない人が、おかしいことはおかしいと発言するのは重要だろう。
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