古代から現代へと時間的順序にそって、基本文献を解説。
本書ではいわゆる「科学哲学」にとらわれず文字通り「科学についての深い洞察」を含む文献をセレクトしている。カントやガリレイ、ソーカルなどは「科学哲学」といわれると「えっ?」と思う読者もいるかもしれないが、科学哲学と絡めて論じており、読めば納得の内容となっていると思う(例えばソーカルやブリクモンの相対主義批判はローダンやパトナムといった科学哲学者の議論に依拠したものにとどまっている、といった具合)。特にソーカル、ブリクモンについての著者の考えはこれまで読んできた中で最も誠実なものだった。
もちろんポパーやクーン、クワインといった科学哲学の鉄板の面子は押さえつつ、日本ではやや地味な(?)ローダン、ハンソン、フラーセンあたりまでカバー。
個別科学の哲学(「量子力学の哲学」とか「生物学の哲学」)ではレッドヘッド、ソーバー、チャーチランドなども解説されている。
日本の科学哲学者、内井惣七氏の『科学哲学入門』伊勢田哲治氏の『疑似科学と科学の哲学』などとあわせて読むといいだろう。