扱う内容は、自然災害(台風&ハリケーン)、気候変動(温暖化)、惑星衝突、金融危機(バブル崩壊)、パンデミックです。これらに共通するのはカオス理論で予測できそうであること。それぞれについて、歴史、主なモデル、予測、予測の限界などについて詳しく述べています。
「複雑系という枠組みで捉えれば、地震と株価暴落には多くの共通点があることに気づき、企業リスクの研究に取り組み始めた(p146)」科学者ソネットはフラクタル理論を援用してモデルを作り、市場の大まかなトレンドの予測をした。とか地球への小惑星衝突の危機、そのときの現実的な対応策としてはどんなことがあるのか、などは読んでいてそれだけで面白いです。
特に本書の価値が高いのは、著者が、科学に可能なこととその限界、予測できることや不可能なことを明確に、慎重に書き込んでいるところです。それが安易な予測を立てる科学者への警告となり、盲目的に科学によりかかる利用者への戒めとなるのではないかと思います。科学リテラシーのようなものを身につけつつ、これらの問題についての見通しを立て、常識を広げてくれる良書です。