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科学の現在を問う (講談社現代新書)
 
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科学の現在を問う (講談社現代新書) [新書]

村上 陽一郎
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

科学と技術の発展は人間を幸福にしたか?原発・医療・情報化など様々な角度から問い直す。

内容(「BOOK」データベースより)

科学と技術の発展は人間を幸福にしたか?原発・医療・情報化など様々な角度から問い直す。

登録情報

  • 新書: 192ページ
  • 出版社: 講談社 (2000/5/19)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061495003
  • ISBN-13: 978-4061495005
  • 発売日: 2000/5/19
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
珍しいものを何でもかんでも集めまくる博物館という存在があるが、博物学とは一体何を目的とした学問なのかなと思うことがある。ひょっとすると、博物学とは個人の好奇心や収集癖を満足させているだけではないかとも思わないではない。それは、この博物学が「社会的に役に立つ」という点が必ずしもクリアーではないからではないだろうか。

本書によれば、科学という学問が成立したのは19世紀になってからであり、それ以前の例えばニュートンは科学者とは呼ばれていなかったという。即ち、ニュートンの学問は決して「世の中の役に立つ」ものと思われていた訳ではなく、ニュートン自身、或いは、彼の庇護者達の好奇心なり探求心を満足させるものであると理解されていたからだという。その意味では芸術家が作品を制作するのと科学者が、研究をするのでは大きな違いはないと思われていたのだ。

しかし、その後科学が技術と結び付き「世の中の役に立つ」ものと理解されるようになり、科学者自身もそれを意識し、さらにはその成果から報酬を得ようと考えるに至り、科学は大きく変質した。

このような形で、科学と社会とのかかわり、科学におけるモラルの問題といった観点から展開する本書は、現代日本の理科教育の問題点、あるいはJCOの臨海事故と「技術立国日本」との因果関係と幅広く展開する。

クローン人間の誕生を倫理的に許されないとする人々の論理の非合理性に言及しつつ、クローン技術の歯止めのない進展が巻き起こすであろう混乱を分析するといった具合に、科学をとりまく現状に対する問題提起は実に面白い。

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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
著者は、1999年に東海村の核燃料製造会社JCOで起きた臨界事故の原因について少し変わった解釈をしている。この事故は日本のクラフトマン魂(技術者魂)の終焉を示すようなものではなく、むしろ日本人が得意とする品質管理(QC)という現場主義の結果によるものだという。こういった事故は原子力利用の初期の時代にはしばしば生じていたという説明もある。すると日本的な品質管理(功利的な作業を含めた)を徹底的に進めていけばもとの初期状態(バケツとスプーン使用)にもどったということか。企業による基礎的な知識の教育の欠如がこの事故の一番の原因であるかのような結論を導いているが、どうもこの解釈には納得できないものがある。一体どのようにして現場で働く人(管理する人)を採用しているのか不思議である。教育以前の問題ではないのか?
 人クローン個体作製に対して、著者はそれほど否定的な見解を示さない(肯定的でもないが)。最近の哲学者にはこういったトーンの主張が多すぎる。著者は科学史が専門であるが、この領域の人(自然科学を含め)遺伝子の多様性性という生命の生き残りにのみ生物学的価値観を置いているのが気になる点である。「人間の尊厳」を人格の唯一性のみに基づけてよいのかという疑問。ES細胞の研究(胚を壊すことによる研究)に対する見解もないのも気になる。著者と直接対話してみたくなる一冊である。
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By 志村真幸 VINE™ メンバー
形式:新書
著者は科学史の専門家で、科学を、そのバックグラウンドとなる社会という存在から研究してきた。1990年代から現代社会における科学について論じることが増え、ちょっと残念なところもあるが、大切な仕事であり、本書も非常に啓蒙的な一冊となっている。
 眼目としては、科学者は自分の仕事について自覚的でなければならないということにある。自分の研究の社会的な位置づけを確認し、暴走を自制すべきだとされる。それと同時に、社会の側でも科学をよく理解し、過剰な期待や反発を控え、また科学の発展について規制と推進をしていく必要がある。
 そういうことが、アメリカの冷戦期、1999年の東海村の原子力事故、クローン技術などをテーマに解説されていく。分かりやすく、良識的で、良くできた本と言えるだろう。
 残念なのは、肝心の科学者たちが、得てしてこうした本を読まない点である。「文系」の人たちがいくら頑張っても黙殺されることが多いのだ。どうしたものか。
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