科学者6名と阪神タイガースのトレーニングコーチ1名に著者がほとんど前知識なく
職場を訪れ、あれこれとインタビューするという形式の7章から成ります。
これまでの著書などでも窺い知ることができますが、著者の科学に対する姿勢は
知識としての蓄積はないものの、興味を持ち続けてイメージを膨らませているであろうことは、
本書でも重要な場面で触れられており、科学者の学問領域に対しては予め仮説を
立てて対談に臨み、それを実際の対話の中で検証するといったスタイルによっても
発揮されています。
各章には対談している科学者の分野におけるハイライトの説明がカラー写真・図版で
1頁あり、これが前知識が無い読者の理解を助けるのに役立ちます。
公的機関において公金で研究を遂行するにあたり、時代の要請に反発しながらも
折り合いをつけて我が道を進む科学者の姿など、共感することも多かったです。
ただ、表題には科学とありますが、トレーニングコーチを除いては、ほとんどが
理学的な立場に属しており、そこに科学という大きな括りを持ってきてしまっている
ことにやや疑問を感じます。
しかしながら、内容としては、作家が自らの興味で科学者との対話をしていくという
新たな試みであり、工学的な話などへの今後続編などの展開もあると広がりも出てきて
興味深いと思いました。