週刊少年ジャンプの看板作品の1つ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の作者で知られる秋本治先生ですが、その秋本先生が週刊連載の間を縫って発表した読み切りを収めた数年ぶりの短編集が出たので早速買って読みました。
今回の短編集はSFテイストの作品が掲載されてまして、うだつの上がらないゲーム制作者の父親を助ける娘のストーリー「R.P.G」、ネットワークの世界にはびこる悪玉ウィルスを退治する少女が主人公の「N少女(ネットエンジェル)いずみ」、若手売れっ子漫画家と担当編集者が昭和31年の世界に迷い込んでトキワ荘を訪れる「時は…」、時空を超えてやって来た恐竜と侍がジュラシック・パークさながらの戦いを繰り広げる異色時代劇「KAKIMARU─かきまる─」、山奥の小さな村を舞台にダム建設による自然破壊と完成したダムに伴う災害に警鐘を鳴らす物語「SUCCEED」の5編が収録されています。
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は時代の変化や流行を敏感に感じ取り、取り入れたつつも、時代が流れても変わってはいけないものがあるという事を読者に伝える、一本筋の通った作品ですが、こちらに掲載された作品にも秋本先生からのメッセージがしっかりと込められてます。
また、「N少女(ネットエンジェル)いずみ」が少女漫画に挑戦した作品だったのを始め、漫画家として成功してなお新しい事に挑戦し続ける姿勢に、創作者とはかくあるべしと改めて感じました。