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秋の花 (創元推理文庫)
 
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秋の花 (創元推理文庫) [文庫]

北村 薫
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

幼なじみの真理子と利恵を待ち受けていた苛酷な運命――それは文化祭準備中の事故と処理された一女子高生の墜落死だった。真理子は召され、心友を喪った利恵は抜け殻と化したように憔悴していく。ふたりの先輩である〈私〉は、事件の核心に迫ろうとするが……。生と死を見つめ、春桜亭円紫師匠の誘掖を得て、〈私〉はまた一歩成長する。

内容(「BOOK」データベースより)

絵に描いたような幼なじみの真理子と利恵を苛酷な運命が待ち受けていた。ひとりが召され、ひとりは抜け殻と化したように憔悴の度を加えていく。文化祭準備中の事故と処理された女子高生の墜落死―親友を喪った傷心の利恵を案じ、ふたりの先輩である『私』は事件の核心に迫ろうとするが、疑心暗鬼を生ずるばかり。考えあぐねて円紫さんに打ち明けた日、利恵がいなくなった…。

登録情報

  • 文庫: 268ページ
  • 出版社: 東京創元社 (1997/02)
  • ISBN-10: 448841303X
  • ISBN-13: 978-4488413033
  • 発売日: 1997/02
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 「私達って、そんなにもろいんでしょうか」
帯に書かれたこの言葉が読後の私を貫く。
人にはどうしようもないことがある。それを「運命」と呼ぶのだろう。
だが、どうしようもなかったと思っても思っても、やりきれない思い
に縛られてしまうのだ。

「日常の謎」シリーズとして始まった「私」の成長物語。
この作品で「私」は高校の後輩の死に直面する。
その死の謎を解き明かしてくれた円紫師匠に
彼女が問い掛けた言葉が冒頭の一文だ。

「私たちってそんなにもろいんでしょうか。」
あまりにもあっけなく死んでしまった真理子。
親友がなくなり、心の均衡を崩す幼馴染の和泉さん。
和泉さんに助けを求められながらも、
何もすることができない無力感を抱きつづける「私」

そう、人間はもろいのだ。どうしようもなく、弱いのだ。
それでも、私たちは命がある限り「明日」に向かっていく。
たとえ心が病んでいても。後悔に押しつぶされそうになっていても。
生きている限り、私たちは昨日を後悔しながらも、
明日の幸せを夢見て、今日を精一杯生きる。

和泉さんと「私」を見守る円紫師匠と真理子の母親の
暖かい視線に、こういう大人でいたい、と心のそこから思った。

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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hajic
形式:文庫
推理小説(あるいはその形式を採った作品)の利点は色々あるのだろうけれど、個人的には作中でのターゲットの心の動きを分析することが、巡りめぐって読者自身の心を分析することを可能にする点が面白い。また、本について語ることはつまり自分について語ることだ、とは作中で主人公が語るセリフだけれど、ならば「語るに足る推理小説」は二重の自己分析を可能にするのではないだろうか。一度は物語が与えるメソッドで。そしてもう一度、今度は自分のやり方で。

本作の種明かしはまことに可愛いもので、それに割かれるページ数からもわかる通り、それ自体に重点はほとんど置かれていない(ように見える)し、悪く言えば実際、それほど面白くもない(ように思える)。ただし曖昧模糊とした状況で主人公が語る「稲穂の蔭」のような数々のヒントが、読者を事件の真相にではなく、それをどのように受け止めるのかという「意味づけ」にこそ導くように、結局のところ、この物語は自分自身に対する推理小説なのである。

真理子という示唆的な名を持つ、既に止まった時間を核に、利恵、私、そして読者はそれぞれ「彼女」の心を読み解こうと試み、やがて「自分」の位置に思いを馳せる。あるものは倒れ、あるものは絶望し、あるものは迷い続けるその途上に、彼女の残した「きっと」という言葉。それは運命、その意味へと向き合う人の希望であり、なによりも祈りなのである。最終項、母のまぎれもない鎮魂のことばが、本作の本質を物語る。

――, 永遠の安息を彼らに。絶えざる光を、かれらの上に。
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By bluestar トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
 痛々しくて、苦しくて、生きていくというのはそんなにつらいことなのか、と思う。楽しかった毎日が、ある一瞬を境に音とたてて崩れていく。昨日までの自分が取り戻せない。昨日まではあんなに笑えたのに、その世界には二度と戻れない。誰もが自分には関係ないと思っているでしょうが、そんな人生の落とし穴は誰にでも口を開けて待っているような気がします。

 それでも、円紫師匠の言う通り、「今生きているということが大事」なのです。生まれてきたからには、今を一生懸命生きていかなくてはならない。

 巻頭に、先日なくなった久世光彦さんの寄せた文章には「〜読みながら一度本を伏せ、しばらくの間、ここまで歩いてきた自分の人生の日々について考えたり、ずっと昔にほんの小さな関わりを持った人をふと思い出したりするーそんな推理小説はなかったと思う。」とあります。まさに、この通りの小説です。墜落死した真理子と親友を失った利恵の二人を通して生と死を描き出し、生きるってどういうこと?と改めて考えさせられます。

 テーマは重い。簡単に答えが出るようなものでもありません。だけど、いつものように円紫師匠の言葉に心が救われるようなラストです。

 合間に出てくる<私>と正ちゃんと江美ちゃんの”文学散歩”は自分も一緒に歩いているような気になるし、たまにはこういう純文学や古典文学と言われる作品を読み返すのもいいかなと思いました。

 また、円紫師匠の落語に関しては、落語を知らない私でも、なかなかおもしろそうな話だと思えるような解説が楽しいです。

 これらの挿入があって、つらい話も楽しく読めるのでしょうね。
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「許すことはできなくても、救うことはできる」この言葉の重さが・・・。
おなじみの円紫シリーズ。今回の話は、「私」の後輩にまつわる話だ。
真理子と利恵、この二人の後輩は「夜の蝉」の中でもほんの少し顔を出す。... 続きを読む
投稿日: 2008/1/18 投稿者: ゆこりん
秋の花
「空飛ぶ馬」から続くシリーズ物。
主人公の私が出くわした奇妙な出来事を推理が得意な落語家円紫さんが見事に解いて見せるという筋書き。... 続きを読む
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文学的ミステリー
 切なく、胸にこたえる小説でした。テーマも重くて、考えさせられます。... 続きを読む
投稿日: 2006/5/7 投稿者: まいったなこりゃ
期待外れ・・・ 評価下げてすみません
初めて北村薫の本だったので期待して読んだが、期待しすぎたのかも。。。ストーリー自体は、大学生の主人公や後輩の高校生の青春独特の心の揺れ方や感性が込められて共感でき... 続きを読む
投稿日: 2004/8/25 投稿者: ショウジロウ
秋海棠
私は、北村薫さんのこのシリーズが好きなんですが。
特にこの話はとても良かったなと思いました。秋海棠別名断腸花。... 続きを読む
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日常のすぐ傍にある死
日常の謎シリーズの代表とも言える「円紫師匠と私」シリーズの第三作目。

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高校で起きたひとつの事故死からはじまる、死と再生の物語。... 続きを読む
投稿日: 2004/2/22 投稿者: shirotsumekusa
ともに年をとっていくはずだったのに、、、
学生時代の友人が、唐突に命を絶ってしまったときの
あの衝撃を思い出しました。
「死」とは、目の前から人が消えてしまうこと、... 続きを読む
投稿日: 2002/8/6 投稿者: chimabook
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