恒川さんの3冊目、待ってました!と言う感じです。
前・2作も良かったですが、この一冊、何とも言えない余韻が残りました。
3編の中編からなる作品集ですが、
どの主人公も、ふと気づくと違う世界に迷い込んでしまいます。
こう言葉にしてしまうと何となくわざとらしく感じてしまうかもしれませんが、
違うんです、本当に自然にその世界に入り込んでしまうんです。
扉を開けると全く違う世界が確かに存在している、
私にもそれが感じられました。
誰もが行けそうな場所に思えてくるのです。
ちょっと怖そうだけど行ってみたい。
この感じは実際に読んでみないとわかってもらえないでしょうね。
全体に漂っているノスタルジックな雰囲気と、
謎を解くミステリー要素、ありそうでなさそうな不思議な世界。
この三つがこんなにうまくかみ合っている作品を書く作家には、
いままで出会ったことがないです。
希有な作家だと思います。
たくさんの人に読んで欲しい一冊です。