本書は著者が雑誌「臨床心理学」に連載していたものに
加筆修正を加えて一冊の本としてまとめたもので,
精神分析的な心理療法について,非常に分かりやすく,
かつ,実践に役立つように書かれている。
理論書というよりも,How toという感じである。
対象関係論を基盤とした精神分析的な心理療法の実践書といえる。
文章も口語調でまるで著者の講義を聴いているかのような
感じで,手に取りやすく,簡単に読めてしまう。
しかし,その中身はしっかりと対象関係論を踏まえたものである。
面接室の構造の作り方,面接の始め方,解釈の伝え方,
終結にいたるまでが順を追って,丁寧に説明されており,
精神療法の参考書として非常に有益なものであり,
まず対象関係論的心理療法の全体像をとらえるための
入り口の一冊としてお勧めである。
さらに,本書の中でも紹介されている何冊かの理論書と合わせて
読んでいくと,一層深い内容を得られる。