内容紹介
ときは1923年の関東大震災の前後、新しい時代(思潮)のはじまりと暗い時代への予兆のなか、日本の芸術/建築/映画/文学界は、同時期に多種多様な実験が開始され、ジャンルを超えた混淆のなか、それぞれがさまざまな形で華開いた大転換期だった。歴史上はじめて「無名な」個人の「生」があちらこちらに溢れはじめ、それを大きなムーヴメントへと結実させようとする動きが次々に起こる。それらは儚い一時期の夢として「歴史」へと埋没してしまうほかないものだったのか?本書のタイトル「私自身であろうとする衝動」とは小説家であり社会運動家としても活躍した有島武郎の言葉である。その有島をはじめ、宮沢賢治、江戸川乱歩、柳宗悦、大杉栄、今和次郎、保田與重郎、横光利一、萩原恭次郎ら、「生と芸術」そして「生と労働」の「総合」を試みた作家たちはいったい何を目指していたのか?彼らの思考と実践の核心が、いま大転換期を迎えた現代日本に鮮やかに蘇り、われわれの次代の「生」の条件を炙り出す。
内容(「BOOK」データベースより)
小説『黒揚羽の夏』で鮮烈デビューを果たした俊英による明日を切り拓くための歴史的パースペクティヴ。生と労働、そして生と芸術―関東大震災から大戦前夜にかけ、これらを総合すべく華開いた幾多の“夢”。彼らの思い描いた夢想は儚く歴史のなかへと埋没してしまうのか?宮沢賢治、柳宗悦、江戸川乱歩、今和次郎、有島武郎、横光利一、保田與重郎らの思考と実践の核心を抉り、大転換期を迎えた現代にその姿を鮮やかに蘇らせる。