「美少女群雄割拠ラブコメ」という惹句通り,これまでは唯一の男子生徒・後白河法行を巡り,女の子たちが智謀の限りを尽くす,という展開が多かったのですが,今回は音楽祭に向けてギター少女太田まこ・ドラム少女神田蕾花のふたりの葛藤・屈折と克服が主題となっています.
とくに上記の二人と,歌の天才少女荒木宇乃を巡る物語は感動的で,いい歳をしたわたくし,温かい涙が何度も流れて困りました.
いつものように法行を狙うドタバタはあるのですが,物語はそれと上記エピソードが有機的に絡み合い,実に良くできています.
電撃文庫,やればできるじゃないですか.
私は電撃文庫って,ある日突然,ワケアリの女の子が降ってきて……,という,同工異曲の本の多さに辟易し,
また「誤植が非常に多い」ので,電撃文庫編集部には校正者がいないんだろうと思っています.
が,この本は誤植がほとんどありません(私がざっと見た限りでは一ヶ所だけ).
たぶん,佐藤ケイ先生が著者校正をしっかりやってるんだと思います.
佐藤ケイ先生は知識もあり(ものしりで),文章力・構成力も群を抜いています.
多くの人に読んでほしいと思いました.