医学部が独自に入試を行っている大学(私立大学や国公立の単科医大)では、英語の長文問題で、医学・生物学のかなり専門的な英文が出題されています。専門的な英文は、単に英語力を磨くだけでは読めるようにはなりません。というのも、専門的な英文は、たとえ正確に日本語に直せても(つまり、たとえその内容を日本語で読んだとしても、あまりに専門的なため)、内容が理解できるとは限らないからです。つまり、読解するためには、英語力のほかに、専門内容に関する知識が必要です。本書のはしがきにも、ネイティブスピーカーの言葉として、「内容を知らなかったら読解できない」というようなことが書かれています。
本書は医学部の入試読解問題のうち、専門的な内容の英文を扱ったものを集めた問題集です。解答編(本編)には、左ページに英文、右ページに和訳が載っていて、両方を対照しながら効率的に読解対策ができます。これだけでも十分有用だと思いますが、本書が特に優れている点は、テーマごとに数ページを割いて、専門用語を覚え、読解の前提となる専門分野の知識を得るための、くわしいイラスト解説がなされていることです。難しい専門内容も、イラストでイメージすることができます。
専門内容にここまでつっこんで解説した入試英語の本はなかったのではないかと思います。医学部の受験指導をされている先生でも出身は文系という方が多いですが、本書の著者は薬学部出身の医療翻訳家、イラストは現役の医者(といっても過去にマンガで賞も取っているそう)だそうです。専門内容の解説にも信頼がおけると思います。
私立医大を受験する方はもちろんですが、医学部独自で試験を行う国公立単科医大や国公立医学部の推薦入試、学士編入学をめざす方にも役立つと思います。