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28 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
誰が英雄だったのか 歴史を紐解く大作,
By とし坊 (福岡県大野城市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 私本太平記(一) (吉川英治歴史時代文庫) (文庫)
吉川英治さんは、新・平家物語を書き上げて、すぐにこの作品の執筆を始められたとか。驚きのひとことです。僕は、高校時代のこの本を読みましたが、大変勉強になりました。というのも、この時代は多くの英雄が出ているのですが、相関図や背景がわからないばかりか、時代が何を基本に動いているのかわかりませんでした。 楠正成が忠孝の士といわれても、元は土豪の頭です。新田義貞も華々しく活躍するのですが、最後は朝敵だった足利尊氏が幕府を開いてしまうのです。まして、南朝と北朝に分かれて天皇家までが分裂。複雑な時代です。この時代を、モチーフもって、ひとつの物語として語られたのは、吉川英治さんだけと言っても過言ではないような気がします。 この本を読むことによって、当時の歴史を理解することができました。同時に、忠孝の士楠正成や天皇家の家事情を見ることもできました。 新・平家物語に並ぶ大河ドラマです。誰が、英雄だったのか。歴史を紐解く物語であり、必読の書です。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人間たちの物語,
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レビュー対象商品: 私本太平記(一) (吉川英治歴史時代文庫) (文庫)
どんなに失墜しても不死鳥のように蘇る足利尊氏の強運と、日本史上で最も忠義心厚い天才戦略家の楠木正成を信任しきれなかった後醍醐天皇の不運を描いた作品ですが、人間描写の素晴らしいことがこの私本太平記の魅力の一つだと思います。もちろんフィクションテイストも吉川的であり、なおかつ戦後の自由思想の先駆となる(多少ソフトではあるが)新たな価値観に基づく「足利尊氏」の苦悩が、現代に生きる私達にとって共感できます。自分は仕事やプライベートで行き詰まった時は、私本太平記の第七巻をバッグに忍ばせて尊氏の起死回生ポイントになった福岡の古戦場付近でまったりと過ごします。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
もう少し長生きして欲しかった,
By フジ太郎 "フジモッチャン" (徳島県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 私本太平記(一) (吉川英治歴史時代文庫) (文庫)
足利尊氏を主人公とする小説だが、登場人物の誰を主眼において読んでも楽しめる小説である。特に楠木正成の湊川における描写の美しさには感動した。湊川における勝者は尊氏で敗者は正成であるにもかかわらず心理的には正成のほうが勝者であったような錯覚をすら覚える。 最後の方は吉川英治が体調を崩したためらしく終わりを急いだような感じであるが、観応の擾乱までは詳しく描いているのも他の太平記作品には見られない。作者がもう少し長生きしていたら、と残念に思う作品である。それでも吉川英治最後の作品として文学史に燦然と輝いていると思うのである。
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