シリーズ10作ということで現場は力入れまくりだったらしいですが、それに相応しい傑作と思います。
この作品の批判として、これまでのシリーズのネタの集大成という人がいますが、まあ、それはそれで否定できないと思います。
が、それでも、このテンポと小気味いい演出、ユーモア。サスペンスとスリル。
具体的にいうと、
(1)まず、ムーアのちょっとした表情が実にいいんです。
追ってきた美女の暗殺者に、一瞬ウインクしてみせる茶目っ気とか、すごくいい。
そして、それに一瞬嫉妬する今回のヒロイン。
それぞれのキャストの表情の良さは磨きがかかってきてます。
(2)美麗な風景とそのバックに流れる音楽の美しさ。特に海底を今回のボンドカーが潜航艇として進んでいくんですが実に美しい!また、アフリカの風景もとても興味深く拝見できました。いつかはいってみたい。
(3)充実した悪役。ジョーズは出色。本当はいい人らしいんですけどね(笑)
(4)アクションが多彩。冒頭のスキーアクション(映画史上に残る!)、水中戦闘、タンカー内部の激戦とバラエティに富み飽きさせない。そして、ロシアから愛を込めてに良く似た列車内のアクションシーンもあるが、これもまた良い!
(5)相変わらず美麗なケン・アダムズの美術設定
(6)今回のボンドガールは、ボンドと対等な女スパイなので見せ場も多い。
逆に、ここはちっときついと思った点をいくつか。
(1)アニアのルックスが僕の好みではない(笑)
(2)最後のシーンは、死んだ彼女の恋人の立場に立つといかがなものか、と(汗)
僕は007はシリーズ全作大好きですが、歴代ではこのムーアボンドが一番好きです。ムーアボンドって何だかすごく共感できるんですよね。優しくてかっこよくて。コネリーのは立場が変われば怖い人だなあと思います(笑)
で、ムーアボンド全作では、この「私を愛したスパイ」が一番見事な作品だと思ってます。