とにかく猫好きさんには一見の価値アリです!
谷根千のリアル生活猫たちが、たむらまさきさんのびっくりするほど素敵なフレーミングで
どどーんと画面たっぷりに堪能できます!!!
もちろん、猫だけじゃなく映画もじんわりと心に沁みました。
猫との距離とおなじく、主人公の星野真里さん演ずるハルの微妙な他者との距離感、
別に嫌いじゃないんだけど同僚とのなんとなくの違和感、女度(人種)や常識の違い、
恋人だった人との不思議なシンクロニティやズレ(リンゴの使い方に衝撃!)など、
必要以上に他人に近寄らないで生活する現代の人づきあいの仕方と、
ハルがひたすらに猫ストーカーする感じが、あとからせつなく胸に迫ってくる映画でした。
鈴木卓爾監督は、人との微妙な距離感を撮るのがすばらしいと改めて思いました。
人とも猫とも、分かりあえているようでぜったいに分かりあえない。
ずっと一緒にいたくても、それはぜったいに叶えられない。
思い込みや独りよがりででも、一緒にいるうちはたくさん愛情をそそいで、
いつか来る別れに耐えられるようにしなくちゃいけない。
この映画を一緒に観ようと約束した親友と、20年一緒に暮した猫が急に天に昇った今、
もう一度この映画が観たい、と強く感じています。
一緒にいた時間分だけ、別れるとさみしい。
でもその時間分以上に、今まで愛おしくて幸せな日々が過ごせたなあ、と考えると
ふんわりとあたたかい気持ちになります。
別れに心を痛めている人にも手に取ってほしい作品です。