老年学に対するアプローチとして社会学的視点から特殊メークにより
老人になり(毎日ではないですが)3年間を過ごしたパット・ムーア氏に
よるドキュメントです。26歳の女性が体験したことを記した書ですが、
25年前のものを復刊させたものです。ただし、内容的には全く色あせて
おらず、現在の社会にも通じる面が多数あると思います。
残念ながら、記録的側面が強調されていて、ユニバーサルデザインへの
示唆は余りないというのが実情ですが、それでも文面から読み取れる
老年学的要素は十分に富んでいるといってよいでしょう。
また、ドキュメンタリーとしては、ハーレムでの事故や若年と老人との
人格を使い分けていくために、自己が分離していく様が心理学的側面から
も非常に興味深いところです。
読者の興味の方向により、多面的な解釈ができると思いますので、上記
に挙げた面からの興味がある方へは一読をお薦めいたします。