私はUFOや宇宙のことはよく知りませんので、著者のオムネク・オネクさんが本物の金星人かどうかは何とも言えませんが、彼女の話がたとえフィクションだとしても、とても大切な教訓が得られる本だと思いました。全体としては、波長が高く美しいアストラル界の生き生きとした描写によって、私たちが未来に希望を持つことができるような内容ですが、私はファンタジックな面よりも、魂の永遠性をテーマにした、地に足のついた幾つかの教訓が特に印象に残りました。
1つは、魂の生まれ変わりをはさんでも確実に作用する因果応報(カルマ)の法則です。このことを理解していれば、オムネクさんの言うように、正常な心の持ち主であれば、意図的に他人を傷つけようなどとは決して思わないでしょう。もう1つは、どんな人でも現段階での理解能力において必要な経験をしているのだから、本人と同じ体験をしていない立場で相手を批判したりはしないという思いやりです。
人はとかく自分の考えを相手に押し付けようとして、自分とは違う考えを否定しがちですが、オムネクさんの言うように、私たちは自分の考えはよく分かっているので、相手の考えを理解することのほうが大切なのでしょう。ひいてはそれが戦争のない社会を作るために一人一人が今から実践できることではないかと思いました。
これらの教訓が自叙伝や具体的な例の中で説かれていますので、疑似体験のような実感のあるメッセージとして深く心にしみ込みました。それは厳しい人生経験を乗り越えて到達した境地ならではの、波のない湖面のような心を持つ人の言葉のように感じました(だからといって、彼女が本物の宇宙人だとすぐに断定はできませんが)
オムネクさんは、これまでセンセーショナルな取り上げ方をされたくないとして、テレビドラマシリーズのオファーを断ってきたそうですが、彼女が最も伝えたかったのは、おそらく宇宙人とかオカルトとかの情報ではなく、宇宙という広い視野で命の永遠を感じながら生きることではないだろうかと私は思いました。
地球人が進化した異次元の惑星に生まれ変わっても、地球でのカルマが消えるわけではなく、またいつかは地球に戻ってカルマの清算をする人が彼女自身も含めて多くいるという謙虚な言葉は、私にはとても現実的で人間的なものとして受け止められました。
私としては、この本は、「宇宙人」や「アセンション」という賛否両論のある衝撃的な本というよりも、より自然な「日常の生き方を説いた本」としてのジャンルにも入れてほしいなと思いました。