最近の香山リカ氏は出版ラッシュのようである。まるで一時の勝間和代氏を彷彿とさせる。自己啓発の塊カツマーに対する、のんびり路線のカヤマーが台頭して来たのだろうか(?)
大抵の人間は一皮むけば怠け者であると思うが、自分が怠け者と自覚する者ほど自己啓発に精を出すのだろう。また、今までの自分の人生を振り返って、むくわれていないと強く思う者ほど人生の一発逆転を目指して何年も自己啓発に励むともいえる。つまり一人の人間の中にはカツマー的なものとカヤマー的なものが共存しているといえるだろう。
そして何年も勉強してそれが実れば良いが、失敗したら当然落ち込む事になる。そんな時に手に取るのは当然、精神科医の香山リカ氏の著作であろう。何故なら癒し、慰めの言葉が欲しいからだ。読者は自ら精神科、心療内科に通わずとも香山氏の本を読めばユーモア溢れる精神科医のカウンセリングを受けることが出来るのだ。
本書は四つの章で構成されているが、やはり第3章の「しがみつかない生活術―30の方法」が疲れた心身に効きそうである。最近話題の「ちきりん」が言うように「ゆるく生きる」という事、そして今まで以上にのんびり生きて行くと宣言した香山リカ氏の、目標のハードルを下げてゆるゆると歩き続ける等の言葉は、自己啓発に失敗した者、ゆっくり努力していきたいと思っている者にとって、十分な回答になっている。