石平さんの本は他にも何冊か読んだのですが、中国人である彼がどうしてこんなにユニークな考えを持つに至ったのか知りたくてこの本にたどり着きました。
とくに前半に書かれている石平さんの半生に大変共感し、心打たれました。
大きく分けて彼の半生には3度の大きなショックがあった。
「われわれの素晴らしい社会主義国家」「われわれの偉大なる領袖毛主席」と毛沢東を崇拝し、それが真実だと信じて幼少期を過ごした。
80年代で大学生になり、自分が今まで信じていた世界が、欺瞞と虚偽の世界であったことを知って驚愕し、深刻な心の危機と苦しみを体験しなければならなかった。
また当時、中国では日本に憧れる人が多かったという。
そして、民主化運動に参加し、天安門事件で仲間を失い、
青春時代の理想と思いは打ち砕かれ、中国共産党に完全に失望した。
日本には留学生として1988年から来ていたため、そのまま日本で暮らす。
中国ではとっくに失われた文化や孔子様の世界が、お隣の日本で、自然と人が渾然一体となって存在していることを発見し、驚嘆と感激の連続を体験する。
親日家になる。
1990年代に入り中国では反日教育が始まる。
二度と民主化運動を民衆にさせないためだ。
悪魔である日本から中国を救ったのは、中国共産党であるから国民は必ず支持しなければならないと。
だから天安門事件でひき殺された学生の方が間違っていたのだという理屈だ。
彼は実家の中国に帰省し、「日本悪魔の軍国主義」という強烈な反日に染まった家族や仲間と会って大きなショックを受ける。
子供時代に自分を騙したのと同じ手を使って、もう一度甥の世代まで洗脳教育の犠牲者にしようとする中国共産党。
昔の「反革命分子」が「日本軍国主義」に代わっただけだ。
彼は激しい憎しみを覚え、反日運動に叛旗を翻したわけである。
2000年になり中国の掲示板では、「日本が再び中国を侵略してくる」という荒唐無稽な作り話が信じられており、
「我々の最後の目標は世界征服である」「核戦争も辞さない」などと公言してはばからないという。
今は2008年。
完全に虚像である反日教育を受けた子供達は成人し、
世界に向けても「30万殺した南京大虐殺」「日本は悪魔だ」というウソの一大キャンペーンを続けている。
これらを根拠にしていつか軍事行動に出るのではないかと 私は真剣に恐れている。