第1話が雑誌に掲載されたのが2006年。単行本派の方にとって待望の新刊です。描き下ろしが8ページあるなど、雑誌派の人でも楽しめます。
『暴れん坊本屋さん』『番線』同様のエッセイコミック。一巻完結。ただし今回は書店員の視点ではありません。作者の自分史といったところでしょうか? 「おえかき少女が漫画家になるまでのアレコレ」が綴られています。漫画家としてデビューした頃で終わっていますので、書店ネタや出版に関する裏話は一切ありません。
番子さんが当時描いたイラスト、現物コピーが満載。カバー裏とか……小学生の頃のイラストを掲載するというその勇気、尊敬します。手が描けないから隠れるようなポーズばかり描いていたなど、漫画家に憧れてイラストとか描いたことある人なら、そういったエピソードに心当たりが多過ぎてこのダメージから逃れられないでしょう。
また当時カッコいいとか思っていたものが後で思い出すと恥ずかしい→過去を抹消したい、そんな気持ちも満載。生徒手帳に挟んでいたものについてとか、漫画を描く道具の代用品についてとか、とにかくその他の赤裸々がすごくて、うっかり記憶の片隅にしまいこんだ自分の黒歴史を開きそうになります。漫画好きじゃなくても共感できる部分はあるのでは?
話の冒頭とか随所に散りばめられた小ネタも効いていて、思わず笑ってしまうところも。その一方、作者の「漫画家になりたい」という気持ちがぶれず、(母親の反応が冷たくなったり、周囲が就職活動したりという状況で投稿原稿を描いています)漫画家になるというこの内容。精神ダメージはありますが、笑って元気になれ、そして勇気づけられる一冊だと思います。