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私の男
 
 
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私の男 [単行本]

桜庭 一樹
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (178件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

受賞歴

第138回(平成19年度下半期) 直木賞受賞

内容紹介

お父さんからは夜の匂いがした。
狂気にみちた愛のもとでは善と悪の境もない。暗い北の海から逃げてきた父と娘の過去を、美しく力強い筆致で抉りだす著者の真骨頂『私の男』。

登録情報

  • 単行本: 381ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2007/10/30)
  • ISBN-10: 4163264302
  • ISBN-13: 978-4163264301
  • 発売日: 2007/10/30
  • 商品パッケージの寸法: 19 x 13.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (178件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 126,431位 (本のベストセラーを見る)
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37 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 アンモラルで強烈な恋愛小説 2009/5/15
形式:単行本
震災孤児となった9歳の花を、同じく身寄りのない25歳の淳悟が
引き取って、2人きりの歪んだ家族を作っていく、アンモラルで
強烈な恋愛小説。

前に進むことは望めず、底に向かって深く沈んで行くしかない
背徳的な関係は世間の常識からすればおぞましいけれど、
愛情に恵まれず居場所がなかった2人が求め合ってしまうのは
必然で、善悪の線を引くことは難しい。

冬のオホーツク海でひとつの事件が起きるのだが、「殺人」という
人と獣との分かれ道を、海と陸の分かれ目である流氷が
象徴している。

人を殺した花を守るために、故郷を捨てる淳悟。
更に深く絡みあってしまい、もう後戻りは出来ない。
お互いに、相手さえいれば何もいらないという覚悟の
逃避行シーンはとても美しかった。

親子で初恋の人で共犯者、これほどまでに濃密な関係はないだろう。
いくら体を重ねても満たされず、ずっと一緒にいるために相手
そのものになってしまいたいという渇望感が幾度も描かれる。

究極の愛とは相手の幸せを願うことで、そのためには身を引くことも
いとわない献身だと言われるけれど、相手を失うことを恐れるあまり、
いっそ殺してしまいたいという考えに行き付く愛し方も、
わたしは否定できなかった。
このレビューは参考になりましたか?
67 人中、59人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
描かれているもの全てに、強烈な嫌悪感を感じる内容でした。
読み終わってから他の場所で「舌」という漢字を見たときに、思い出し背中がぞーっとしたぐらい。

しかしその一方で、暗く、重苦しく、醜い世界を生々しく描ききっている、著者の描写力の高さは認めざるを得ません。
そもそも下手な小説家は、小説が持つ世界観を読者に伝える力が不足しているため、読者に欲求不満は持たせても、内容に対する強い感情(感動にせよ、嫌悪感にせよ)を持たせることはできません。
ここでは直接的な行為、心理描写だけでなく、背景描写1つとっても、ネトネトとまとわり付くような不快感を与え、また、例えば「お父さん」でなく「おとうさぁん」と表記させたことにより、花の淳悟に対する「欲望」を、より強く感じさせるなど、隅々まで手抜かりなく描ききっています。
さらに、嫌悪感を持たせながらも、その世界に巻き込み、最後まで読ませてしまう、著者の筆力の高さも認めざるを得ません。

内容か、筆力の高さか、正直、どちらにポイントを置いて評価すればいいのか、非常に迷いました。
そんな時は真ん中をとることが多いのですが、その筆力ゆえ最後まで読ませられたけど結局、ストーリー展開に面白さは見つけられなかったことと、花が淳悟から離れ、美郎と結婚するまで至った、その心理の変化をもう少し詳しく描いて欲しかったこともあるため、星2つにしました。
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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 何故、男は傘をさすのか 2012/5/3
形式:単行本
物語の冒頭、私の男=腐野淳悟は、どうして盗んだ傘を持ちながらゆっくり歩いてくるのか。
以下、物語の展開に踏み込んで説明しますので、本書をまっさらで読みたい人は読まないでください。

無頼な、殺人、近親相姦etc.人の道を踏み外しさえする男を印象づけるためでもあるが、それだけではない。
本書は、6部構成になっており、2008年6月の第1章から、二人が最初に出会った1993年7月の第6章まで、順番に過去にさかのぼっていく構成になっている。
1章、花の結婚式と養父との微妙な謎めいた関係。そして養父の失踪。2章、花の結婚相手の若い男との出会いと謎の死体、3章、東京にいた二人を追ってきた淳悟による田岡殺しと死体を隠す。それが2章の死体。そして二人のセックス。
4章、花による二人の秘密を知る大塩殺し。紋別からの離脱。5章、紋別での奇妙な親子の二人の生活。6章、二人の出会い。二人は実の親子だった。

1章で結婚式挙げた後、男=腐野は失踪する。何故、失踪したのか。この後、また二人は会うことがあるのか。それが物語の謎になる。
しかし、物語は延々過去に遡ってその後の二人がどうなるかは直接描かれず過去の中から導くしかなくなる。それが物語の冒頭部分。
二人に過去に何があったか、そのことを通じて推測していくしかない、ミステリーとなっている。
で遡れば、謎の死体が誰か、何故、二人は追われそして追ってきた男を殺さねばならないか、
二人の本当の関係は何かなどと、進めば進むほど、答えがわかってくる。そういう形でひきつけ読ませる仕組みになっている。
しかし、答えは表面上のそういう部分にはない。

答えは傘にある。それが冒頭の冒頭で男が傘を盗んだ理由なのだ。

花火と傘はともに開くものとしてイメージが繋がっている。
最後の最後、二人の出会いの時、花火を見ながら二人は親子であり、大切な絆を持つことが描かれる。
傘を持ってくる男はそのことを忘れていないことを伝えるため。そのためにこそ、傘は盗まれねばならなかった。
傘はさされねばならなかったのだ。
そして、その後、二人が会うのか会わないのか。そのことも自ずとわかってくる。

3章の最後で大塩を殺した花は、骨になっても離れないことを言い、忘れないでねと男に言う。「愛しあっていたこと」
1章で、「この世でお前を愛しているのは俺だけだ」と男は言うが、花は愛されていなくても女は生きていけると語る。
既に昔、自分の語っていたことを忘れて、日常を生きている女になっている。

もう花には自分は必要ない。男は身を引く。花にとって自分は邪魔だから。
1章の最後で、花は猛り立ってどうして私に何も言わずにいなくなったと、淳悟を責めるが、
自分で言っていたこと、大事なことを忘れて責められるべきは、花なのだ。
たとえ、女から約束を忘れられて、必要とされなくなっても、男は約束を忘れるわけはないではないか。
二人はもう会うことはない。しかし、骨になっても、いくら離れても、男は愛し合っていたことを忘れるわけがない。
女の言葉を忘れるわけはない。女は忘れても男は約束を忘れない、破らない。どんなに遠く離れても、二度と会うことはなくとも。

推定少女や少女には向かない職業に代表される、著者得意のモラルの外側に踏み込んで生きる相棒とそれを見る主人公の、
一つの極限として描かれた作品であり、砂糖菓子の海野藻屑が生きてたらどうだったかを問うた作品。
あちら側に行ってしまう人間、そのこちら側に残される人間との間に消すことのできない、忘れてはならない絆を描く作品。

女は忘れても男は約束を忘れない、破らない。どんなに遠く離れても、二度と会うことはなくとも。
これはそういう悲しい恋の物語なのだから。そのために傘を盗んで持ってきたのだ。俺は忘れないぞと。

それが「私の男」だから。

女が男のことを忘れて現実の中で、幸せにくらしていても。こちら側とあちら側でどんなに距離があろうが。
男は二度と女に会うことはなく、みじめに朽ち果てていくだけだろうが、その時もどんなに遠く離れていても、みじめになっていても、
女のことは忘れない。女を愛したことは忘れない。あちら側にいってこちら側と離れた中でのもっとも深い愛の物語。
作者が繰り返し描いたテーマの一つの終着駅。

それが私の「男」だから。
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最近のカスタマーレビュー
5つ星のうち 4.0 ほんとだったら とても怖い話です
普通に生まれて普通に育つことって大事なんですよ
なんの罪もなく生まれ 魂の導きに従っただけなのに 切ないです
投稿日: 1日前 投稿者: ひろみい
5つ星のうち 4.0 最低で、最高のおとうさんは浅野忠信じゃなくて川本淳市っしょ
この物語は結局、性的虐待の末路をつづっているだけだ、と嫌悪感しか感じられない人は大塩さんの言う「越えちゃいけない一線」を越えずに生きている人達なんだろうな。けれど... 続きを読む
投稿日: 11日前 投稿者: ヒヨコリスタ
5つ星のうち 4.0 ある意味心に残る作品
映画化が決まった当作品。主役に抜擢された二階堂ふみが好きなのでどんな話しかな・・と購入。... 続きを読む
投稿日: 1か月前 投稿者: さっちい
5つ星のうち 4.0 満足しています。
帯ナシですが、低価格の割には、かなり良い状態だった。
満足しています。
投稿日: 2か月前 投稿者: 恵田 正夫
5つ星のうち 3.0 万人受けする内容でないのは確か
この小説の主軸となるのは、親子の関係です。それも肉体の関係ですから人によっては見ただけで寒気が走るような内容です。... 続きを読む
投稿日: 5か月前 投稿者: satakesake
5つ星のうち 2.0 テーマは重いのに、浅い
この作品に 高評価をつけている方が多いのが信じられません。
気持ち悪いです。
親子で、わざわざ肉体関係をもつ意味がわかりません。... 続きを読む
投稿日: 6か月前 投稿者: ラッキーコブタ
5つ星のうち 3.0 全体的に面白いけど、細かい部分にクエスチョンマークが残る
桜庭先生の本で、今まで読んできたのは、少女または少年少女同士がメインキャラの本を読んできたので、... 続きを読む
投稿日: 9か月前 投稿者: アマゾン太郎
5つ星のうち 1.0 ダメだわ。
だってこれ最低線のリアリティが確保されてないんですもの。
死体をアパートの押し入れに何年も入れておいたら一体どうなるのか。... 続きを読む
投稿日: 11か月前 投稿者: オンキ
5つ星のうち 5.0 「ずぅ〜ん」という感じ
鮮明に、かつぼんやりと矛盾した印象が頭に残る。... 続きを読む
投稿日: 11か月前 投稿者: Ms.チキン
5つ星のうち 4.0 せつない
明るいストーリーではないのですが、登場する2人の切ない感じがなんとも言えず、どんどん引き込まれていきます。... 続きを読む
投稿日: 12か月前 投稿者: miya
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まだわからない 0 2011/02/14
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