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私の松本清張論―タブーに挑んだ国民作家
 
 

私の松本清張論―タブーに挑んだ国民作家 [単行本]

辻井 喬
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

社会的弱者、差別された側にたつ新しい「民衆派作家」像。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

辻井 喬
1927年東京生まれ。東京大学経済学部卒業。現在、セゾン文化財団理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 190ページ
  • 出版社: 新日本出版社 (2010/11)
  • ISBN-10: 4406053999
  • ISBN-13: 978-4406053990
  • 発売日: 2010/11
  • 商品の寸法: 18 x 11 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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辻井さんの語り口そのもののような文章で松本清張を語ってくれます。ですから、まず、読みやすく分かりやすいです。分かりやすさの一要因でないかと思えることに、何人かの作家と比較、対照させて論じることがあります。たとえば、「国民作家とは」について吉川英治、司馬遼太郎と比較します。三島由紀夫と対決させて清張の特徴を浮かび上がらせます。純文学と大衆文学の違いといった課題も、今や、そうした対比をこえた深みにおいてとらえるべきということも述べられます。こうした仕掛けで読者の理解を促す方法は、何よりも読者を念頭に置くべき実作者の視点なのかも知れません。

辻井さんは、清張とプロレタリア文学の関係を論じます。この点は興味深いのですが、最終的にやや不満が残りました。清張は何よりも差別された者、虐げられた者に暖かな視線を向けている点はその通りだと思うのです。その立場から、清張はこの本の副題にあるとおりタブーに挑むことに臆せず社会の問題に切り込んでいきます。しかし、プロレタリア文学の優れた作品のいくつかと決定的に違うのは、差別された者、虐げられた者が「団結」することがないのです。ですから、社会の悪を暴いても、その仕組みを明らかにしても、そこで呻吟する者の未来に向けた希望がなかなか見えてこないのです。そのことに対する辻井さんの見解は述べられていないのですが、それは無いものねだりでしょうか、素人の思い過ごしでしょうか。

辻井さん初の清張論ですから、次の機会までに、さらなる論点と整理体系化などが期待されると感じました。その分、実は、ざっくばらんで読みやすい結果になっているようにも思えるのですが・・・。
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By be3osaka トップ500レビュアー VINE™ メンバー
松本清張の文学は、強い者へ批判、鋭くて、重くて、深い。しかも娯楽性も兼ね備えていて楽しませてくれる。
こういう文学はめったにない。
自分ではこうとらえてきた松本清張についてこの著者がどう書いているかに興味をもって求めた。最初、本屋でこれを見つけるまではもっと厚みもあって中身も重厚なものと勝手に想像していたが違った。本自体は薄くて装幀も軽快な感じのものであった。肝心の中身は評論ありがちな難解な部分はなくすらすら読める。著者の松本清張を敬愛する気持ちが込められた文章がつづき共感する箇所も多かった。

この本を読んだ後、松本清張はもっともっと多面的に評価されていいんだと思った。

154頁から186頁までの註釈付略年譜では著者が<註釈>を付していて、非常に興味深く読めた。特に、清張が仲にはいって共創協定の件の解説はよきできていてその見方には教えられた。
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