本書でも指摘されていることだが、宗教の存在感が世界中で高まっている。でも、宗教って何なの?って考えると、案外すっきりした答えは出ない。宗教学者の数だけ宗教の定義があるそうだ。
で、島田は、イニシエーションを通じて宗教を説明しようとする。あらゆる宗教において、イニシエーションというのは根源的な体験であって、それを経験して大人になったり、信者になったりする。筆者のより端的な言によれば、イニシエーションを体験しているかどうかでその共同体の成員かどうかが決まるということである。その意味で、会社の新人歓迎会でしこたま飲まされるとか、部活の新入生いじめとか、ああいうのもイニシエーションなんだそうだ。
うーん、まあ言いたいことは分かるんだが、表層的な分析に聞こえる。もう少し突っ込んだ話をして欲しいよね。例えば、何で共同体に入るのにイニシエーションが必要なのか?別に手をあげるだけでもいいでしょ。キリスト教の共同体とナバホ族の共同体はだいぶサイズが違うが、同じイニシエーションという概念で語ってよいのか?キリスト教やイスラム教なんかの世界宗教について語るにはもっと別の概念が必要なのでは?
ということで、ほんとうに入門な一冊。ただ、筆者の山岸会入会体験はけっこうおもしろい。この箇所は読む価値あり。