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私の好きな曲―吉田秀和コレクション (ちくま文庫)
 
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私の好きな曲―吉田秀和コレクション (ちくま文庫) [文庫]

吉田 秀和
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

深い感動とともに心に刻まれた音楽の数々―バッハ「ロ短調ミサ曲」、モーツァルト「クラリネット協奏曲」、ベートーヴェン「第九交響曲」「弦楽四重奏曲」作品131、ブルックナー「第九」、R.シュトラウス「ばらの騎士」、ベルク「ヴァイオリン協奏曲」など、永い間にわたり、心の糧となり魂の慰藉となった、著者の最も愛着のある曲について、その限りない魅力を明晰に語る作品論の決定版。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

吉田 秀和
1913年9月23日、日本橋生れ。東京大学仏文科卒。現在、水戸芸術館館長。戦後、評論活動を始め『主題と変奏』(1953年)で指導的地位を確立。48年、井口基成、斎藤秀雄らと「子供のための音楽教室」を創設し、後の桐朋学園音楽科設立に参加。57年、「二十世紀音楽研究所」を設立。75年『吉田秀和全集』で大佛次郎賞、90年度朝日賞、『マネの肖像』で読売文学賞受賞。2006年、文化勲章受章。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 587ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2007/12/10)
  • ISBN-10: 4480423915
  • ISBN-13: 978-4480423917
  • 発売日: 2007/12/10
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.8 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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31 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
ほぼ20年ぶりの再読。新潮文庫版を何度ひもといたことか。
改めて読んでみても、初読の感動が甦ってくる。冒頭のベートーヴェンのカルテットとピアノソナタで感極まってしまった。シューベルトの『グレイト』の章では、楽音が耳に鳴り出す。
そして必ず気に入りのディスクを架けて、吉田の文章を読み返してしまう。何度でも読みたくなる。
モーツァルトのクラリネット協奏曲での「かわいそうなブラームス」という痺れる文句。
ストラヴィンスキーでの叶わぬ初恋(?)記の上手さ。
音楽を叙述してこれ以上の文章は皆無なのではないか。吉田独特(と当時は思われた)の「かしら」という文末。見事である。
このレビューは参考になりましたか?
30 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
著者は音楽についての好き嫌いは「純粋に私事」に属するので、あまり大切なことだとは思わないと述べている。それゆえ、かえってこういうエッセイ集は貴重であろう。それに、書き手の音楽に対する造詣が広くかつ深いので、その好悪は普遍的な域に達していると感じられる。バッハからベルク、ヤナーチェックまで著者が深い愛着を覚えた名曲について、実に充実した文章が展開する。

その特質は「吉田さんは、音楽を聴くことの幸福を書いた。あるいは、その幸福感と文明との関係について書いた。それが吉田さんの仕事の主題なのである。」という丸谷才一氏の吉田秀和評に尽きていると思われるが、そういう幸福感をこの本を読むことで我々も味わうことができるのである。

吉田秀和氏の名著がこのような形で復活して本当にうれしいかぎりだ。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 雪国の音楽好き トップ1000レビュアー
形式:文庫
もう30年以上前になるが、芸術新潮に本連載がなされていて、これを読みたいがために毎月購読をしていたところがある。
ないようについては他のレビューワーの方に賛成で、個人的に付け加えたいことを列挙したい。

フォーレのピアノ5重奏の2番に触れた章では、2番だけでなく他の9曲あるフォーレの室内楽が紹介される、このブラームスと並ぶ近代ヨーロッパの室内楽の宝庫に光を与えた見事な紹介となっている。フォーレというとやたらとレクイエムだけ発売されるなかで、貴重でありこの文によりフォーレの多彩で深い音楽を知ったひとが多いのではないか。この調子で夜想曲とか歌曲とかやってくれるといいと思う。

ヤナーチェクの「利口な雌狐の物語」の見事な紹介、この美しい独創的な作品を世の中に知らしめた名文であろう。

ベルクのバイオリン協奏曲では、“現代”音楽に対する自戒の念が語られる、ところが興味深い。芸術の価値と科学技術の進歩思想との相違。

バッハではマタイ受難ではなく、ロ短調ミサであることが面白い。私の好きな曲といってしまうと、マタイはそう単純にはいえないのだろう。

シューマンの「はじめての緑」という秘めやかな佳作の紹介(ホッターの名演と共に)。誰かがおっしゃったように音楽を聴く幸福が語られる。
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