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最も参考になったカスタマーレビュー
29 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
いまだに感動しているのかしら,
By 野火止林太郎 (大阪府) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 私の好きな曲―吉田秀和コレクション (ちくま文庫) (文庫)
ほぼ20年ぶりの再読。新潮文庫版を何度ひもといたことか。
改めて読んでみても、初読の感動が甦ってくる。冒頭のベートーヴェンのカルテットとピアノソナタで感極まってしまった。シューベルトの『グレイト』の章では、楽音が耳に鳴り出す。 そして必ず気に入りのディスクを架けて、吉田の文章を読み返してしまう。何度でも読みたくなる。 モーツァルトのクラリネット協奏曲での「かわいそうなブラームス」という痺れる文句。 ストラヴィンスキーでの叶わぬ初恋(?)記の上手さ。 音楽を叙述してこれ以上の文章は皆無なのではないか。吉田独特(と当時は思われた)の「かしら」という文末。見事である。
26 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
音楽を聴く喜びの書,
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レビュー対象商品: 私の好きな曲―吉田秀和コレクション (ちくま文庫) (文庫)
著者は音楽についての好き嫌いは「純粋に私事」に属するので、あまり大切なことだとは思わないと述べている。それゆえ、かえってこういうエッセイ集は貴重であろう。それに、書き手の音楽に対する造詣が広くかつ深いので、その好悪は普遍的な域に達していると感じられる。バッハからベルク、ヤナーチェックまで著者が深い愛着を覚えた名曲について、実に充実した文章が展開する。
その特質は「吉田さんは、音楽を聴くことの幸福を書いた。あるいは、その幸福感と文明との関係について書いた。それが吉田さんの仕事の主題なのである。」という丸谷才一氏の吉田秀和評に尽きていると思われるが、そういう幸福感をこの本を読むことで我々も味わうことができるのである。 吉田秀和氏の名著がこのような形で復活して本当にうれしいかぎりだ。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
音楽を聴くことの幸福感が語られる,
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レビュー対象商品: 私の好きな曲―吉田秀和コレクション (ちくま文庫) (文庫)
もう30年以上前になるが、芸術新潮に本連載がなされていて、これを読みたいがために毎月購読をしていたところがある。
ないようについては他のレビューワーの方に賛成で、個人的に付け加えたいことを列挙したい。 フォーレのピアノ5重奏の2番に触れた章では、2番だけでなく他の9曲あるフォーレの室内楽が紹介される、このブラームスと並ぶ近代ヨーロッパの室内楽の宝庫に光を与えた見事な紹介となっている。フォーレというとやたらとレクイエムだけ発売されるなかで、貴重でありこの文によりフォーレの多彩で深い音楽を知ったひとが多いのではないか。この調子で夜想曲とか歌曲とかやってくれるといいと思う。 ヤナーチェクの「利口な雌狐の物語」の見事な紹介、この美しい独創的な作品を世の中に知らしめた名文であろう。 ベルクのバイオリン協奏曲では、“現代”音楽に対する自戒の念が語られる、ところが興味深い。芸術の価値と科学技術の進歩思想との相違。 バッハではマタイ受難ではなく、ロ短調ミサであることが面白い。私の好きな曲といってしまうと、マタイはそう単純にはいえないのだろう。 シューマンの「はじめての緑」という秘めやかな佳作の紹介(ホッターの名演と共に)。誰かがおっしゃったように音楽を聴く幸福が語られる。
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