自らの体験を軸に語る政治哲学〜その決断と実行力に期待して〜
立派な経歴をもち、現職大臣で頑張っている舛添さん。厳しいことをずばり言っているおなじみの舛添さんの私生活を見せる本。すでに発行されて読まれた人も多いだろう『痴呆の母を看取って』に加筆したもの。2008年1月30日発行の近刊本である。
本書は「いのちのバトンタッチ」という生まれ変わりのような「果連」ちゃんの誕生が加えられて、紙面を明るくしている。前書では、痴呆症(現在は、認知症)で介護するのに大変な苦労が要ったこと『母に襁褓をあてるとき』にも同様のことが書かれている。国際政治学者で要職に就いていながら、北九州へ遠距離介護五年間のなまなましい記録をとどめた。普通はできないことを心優しい母親思いの舛添さんは実行した。心身共に疲れる介護地獄…舛添さんはあえてプライバシーを公開し、「地獄」を赤裸々に綴った。
誰が介護を引き受けるのか、誰が費用を出すのか。兄弟は壮絶に対立し、家族は崩壊していく。誰の言動が正しいのか、部外者にはにわかに判定できないが、その難局を乗り越えなければならない。
しかし、舛添さんは、自分のまねをせよと言っているのではあるまい。
「子供が親の介護をするのは日本の美徳」と自己宣伝しているのではない。とても大変なのだから今のままではいけないと言いたいのである。「保険あってのサービスなし」という状態は、一日も早く解消しなければならないと力説する。
それも両刃の言辞で、厚生労働大臣の身の上で、言行一致させるのは容易ではあるまい。しかし、このバイタリティー溢れる期待の星にリーダーシップを取ってもらい、真の福祉国家を築いてほしいものだと念じている。