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私のマルクス (文春文庫)
 
 

私のマルクス (文春文庫) [文庫]

佐藤 優
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (28件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「資本主義の内在的論理についてマルクスが『資本論』で解明した論理は、超克不能である」という確信のもとに、自らの思想的ルーツをたどる。稀代の論客・佐藤優の根幹を成した浦和高校、同志社大学神学部時代を回想しつつ、カール・マルクスとの三度の出会いを綴る著者初の思想的自叙伝前篇。文庫版付録・京都での講演を新たに収録。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

佐藤 優
1960年生まれ。75年、浦和高校入学、同年夏に一人で東欧・ソ連を旅する。79年、同志社大学神学部入学、85年、同大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在英国日本国大使館、ロシア連邦日本国大使館に勤務後、95年より外務本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍する。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 414ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2010/11/10)
  • ISBN-10: 4167802015
  • ISBN-13: 978-4167802011
  • 発売日: 2010/11/10
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.6 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (28件のカスタマーレビュー)
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佐藤の青春期 2007/12/8
By くにたち蟄居日記 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
 昨年末に「獄中記」を読んで以来 この一年は佐藤の本が出る度に すぐ買う日々が続いた。本書もその流れで購入し 一気に読み終えた。

 考えれば考えるほど 佐藤という人は 今の日本の言論界では突出した人である。僕の狭い知見で見る限り 佐藤に対する表立った批判は殆ど無く 完全に時代の寵児である。
 佐藤のような経歴と はっきりした物言いを考えてみると 幾らでも反論異論の余地があるような気がするのだが それが出てきていない。

 やはり 佐藤の経歴に圧倒されてしまうのだと思う。神学科でキリスト教を学んだ後に外務省にノンキャリアで入省し ソ連崩壊のモスクワで人脈を駆使し 帰国後は 鈴木宗男と北方領土に取り組み、鈴木宗男の失脚と同時に「国策捜査」にて入獄し 512日もの牢獄生活を 膨大な読書で過ごし 保釈後は 次々と著作を世に問う。敢えて 長く一文で書き出してみたが こんな経歴の方は 最近では他には見たことがない。
 特に 牢獄生活を強いられた知識人などは ここ30年程度余り無かった話だ。佐藤に批判異論がある人も 相手が かような獄中期間に 検察と対峙しつつ 悠々と 哲学や宗教を耽読してきたという部分だけで 位負けしてしまっているのではないかと思うことすらある。

 本書は佐藤の「青春期」である。相変わらず キリスト教には疎い僕には 知らない人名も多い。但し これを読むことで ようやく佐藤の「獄中記」の背景が見えた気がした。というか 獄中で行ってきた読書や思索は 佐藤の大学時代の生活の延長にあったことがはっきり分かった気がした。彼は獄に入ったことで読書家・思索家になったわけではなく 読書家・思索家が 獄に入っただけの事なのだ。

 しかし 凄い方である。
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25 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By New JJ-K 72 トップ1000レビュアー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
もともと母親の影響でプロテスタント系のクリスチャンであった著書の佐藤さんは同志社大学神学部時代に無神論を勉強し、19歳で洗礼を受けました。

本書では、正に鬼才の元ロシア外交官で現在、起訴休職外務省事務官の佐藤さんの、主として同志社神学部時代の回想が、1.神学、2.神学に大きく影響するマルクス(の資本論)、3.少なからず巻き込まれる学生運動、を中心になされています。

超人的記憶力を持つ佐藤さんは、会話形式で回想しますが、同志社の神学部を中心とした仲間、教授・教諭達との会話に私は強く引き込まれました。

会話からそれぞれの登場人物の人となり・思想が浮き彫りにされ、とてもドラマチックであり、会話の内容に知的な刺激を受けるだけでなく、例えば直木賞作家東野圭吾氏の最近の佳作達よりも小説的な魅力を感じました。

表立って言葉には出てきませんが、本書に登場する人達は佐藤さんも含めて世の平和なり、社会的弱者を労わる社会を夢見て奮闘(生きて)しているように思います。

マルクスの資本論における資本主義の内在的論理とは何か。またマルクスの資本論と社会主義、マルクスの資本論と現在の金融資本の帝国主義時代との関係とは何かについて少しでも興味を惹かれる方、既に佐藤さんの著書に惹かれている方、同志社大学にゆかりのある方には、ご一読を強く勧めます。
このレビューは参考になりましたか?
93 人中、75人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
文芸誌『文学界』に現在も連載中の「私のマルクス」の前半部分となるであろう大学卒業までの「マルクス体験」を綴ったものが本書である。
『正論』から『週刊金曜日』(左方面とはいえ、これが極左であるとは些かも思わないが)までといわれる左右ジャーナリズムから引っ張りだこの佐藤だが、それは何もヘンチクリンなことではなく、出版、ジャーナリズム業界の売れ筋に対する靡きの傾向のひとつに過ぎず、佐藤自身がぶれているとか媒体に合わせているわけではないようだ。
佐藤が言う「実用的」であることの有用性は、現在それ一色になっている「ビジネス書業界」の「使える」とは似て非なるものである。本書で佐藤がマルクスと格闘する過程で神学や宇野経済学などと取り組む様を見るならば、それが分かろう。
しかし、評者はこの佐藤をも消費財とする資本主義的出版業界の定めを感じる。もともと彼のインテリジェンス物を読もうと思ったことはないが、佐藤自身の意図はともあれ、最近の佐藤的実用路線の書物は浅ましい自己啓発的な臭みを発していると思われてならない。
その点では、本書はその下劣な「使える」腐れビジネス書路線から完全に外れ、佐藤優ならではの手ごたえがある。
彼の真骨頂を端的に示すのが、外務省の勤務でいかに忙しかろうが、「毎日最低2時間は机に向って、神学書、哲学書、歴史書を読むことにした」というところである。どこのビジネスエリートさんがこんなことをするだろうか。だいたい哲学書など、その「実用的」効果が現れてくるのは数十年経ってから、あるいは全く現れないと考える者が大半ではないだろうか。佐藤が主張する「実用的」とは、一般人にとってはそういう一見迂遠なものであり、その実用度評価(成果)などは一概に図るのが極めて困難なものなのだ。
しかし、いやそれゆえに佐藤優が他には得がたい書き手であると思われる。
佐藤は『獄中記』のなかで外務省の後輩に向けて、インテリジェンスのプロである以上、思想の最前線を常に追えとアドバイスし、岩波の『思想』を読めなどと書いている。ビジネスもインテリジェンスの一種である以上、これはプロフェッショナルのビジネスパーソンたることを目指す者であれば本気で耳を傾ける必要がある。超人的な彼の体力とストレス耐性のレベルに遠く及ばない一般ビジネスパーソンには、彼の言うとおりできるものではない。評者もその一人だ。せめてその反知性のスタンスを克服し、腐れ自己啓発書やスピリチュアル紛いの成功哲学書を馬鹿にするくらいのことだ。
とにもかくにも、最近結構批判されるケースも増えてきた佐藤優の精神的核心を明かした本書が登場したことは悦ばしい。彼の知的遍歴、佐藤優の「作り方」とも言うべきこの自伝は、本質的な意味で実用的だ。まず最低でも毎日2時間は、たとえ1ページしか読み進めなくとも哲学書を読む必要があるというモチベーションを与えてくれる。これほど啓蒙的、実用的なアドバイスはなかろう。雑誌連載中から欠かさず読んできたが、再読でも一気に読まされた。文章にも知性とユーモアを感じる。
本書が多くの会社勤務労働者の手に取られることを願う。
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