この文庫は、どういう理屈をこねようが、「戦争はいけない、ダメだ、容認できない」という主義・主張に貫かれた一冊である。
この文庫は、「第二部 加藤周一、最後のメッセージ」に収録された2006年12月8日に東大駒場キャンパスで行われた講演「老人と学生の未来」と、2008年8月4日に行われたNHKの取材を基にしたQ&Aである。
この文庫は、知の巨人・加藤周一が人生の最後にどうしても言っておきたかった事、未来に語り続けなければならない事を必死の思いで搾り出した文字通り「最後のメッセージ」である。
第一部は、なぜ戦争をしてはいけないのかが未だもって解らない輩に何とかして解らせようと願う加藤の必死の思いが伝わってくるが、解らないものが多いのだなあ。
「ああいえばこういう」という論理に対して加藤のほうも「こうすればこういおう」なる様々な理屈を繰り出す手練手管は、やはり加藤に分がある。
第二部だけで十分に彼の思想は伝わってくるので、ここだけで充分じゃないかな。