これは、類似の書と比べると、本の紹介の通りの「未発表、本未収録のエッセイ集」である。
「私」については、仮に「私」が解ったとすると、解った「私」と、解られた「私」がいることになる。作者はそれを「これ」と「コイツ」と呼んで、間に「魂」を入れるとしっくり収まるなんていっている。が、エッセイなので、それ以上「私」について、論を展開していない。
しかし、「哲学というと、難しい学問みたいですから。自分とは誰かとか、生きて死ぬとはどういうことかとか。それだけなんです。」と書いていることから、ここに集められたエッセイも「私とは何かということを考えたもの」ということにはなる。
それよりも、同時出版の「死とは何か」で、最後の講演原稿を収録した対比で、ここには最初というべき初期の作品というか、卒業文集に収められた6年2組池田晶子のかなり長い作文が収められていて、それが、登場するのが鳥たちの童話風作文なので、ファンには大変貴重な本ではある。
彼女のエッセイがお好きな方は、こちらのほうがお勧めです。