小沢氏は、日本が変わらなければならないことを知っている。しかも彼は本気でそれに取り組んでいる。そしてだからこそ、日本の旧態依然とした体制を変えまいと固執する勢力から見れば、そんな小沢氏は脅威なのだという事実を、我々ははっきりと認識しなければならない―カレル・ヴァン・ウォルフレン『
誰が小沢一郎を殺すのか?−画策者なき陰謀』p.25
世に“小沢信者”という言葉があり、ネットなどを中心に目に飛び込んでくる。ある意味、この語彙だけでも政治家・小沢一郎さんの人間力、求心力、訴求力が十分窺われ、私なんぞ逆に、ただ「凄い!」としか言いようがないのであるけれど、当書はその“小沢信者”が小沢一郎さんを「ヨイショ!」するために著したものでは決してない。この本を世に出した「小沢一郎議員を支援する会」(平成22年5月8日設立。以下「支援する会」という)の代表で弁護士でもある伊藤章氏は、後掲のように述べている―私たちはなぜ小沢一郎を支援するのか。それは、日本の真の民主主義を育て、守るためである―と(本書p.6)。従って、この書冊の副題も「日本に真の民主主義を確立するために」となっている。
伊藤氏と小沢さんとは都立小石川高校の同級生であったらしい。1960(昭和35)年6月15日、国会デモに向かおうとしていた伊藤氏に対して、自民党の重鎮代議士の長男であった小沢さんはこう声を掛けたという。「伊藤君、気をつけて行けよ」。「わかった。ありがとう」…。それから幾星霜、思想・信条等では小沢さんとも異なる人々が「支援する会」として呱々の声を上げ、今日に至るまで活発な運動を展開している。本書は「勝手連」的な「支援する会」発足から1年弱の間に開催したシンポジウムなどの活動の記録を纏めたもので、「小沢抹殺」の背景にあるものや、「三権分立の原則」に違背して存在している「検察審査会」の問題などを知る上でも、有益な知見をもたらしてくれると考える。
去る6月30日、東京地裁は「陸山会事件」関係で、石川知裕議員などから不法不当に録取した「供述調書」の大半を証拠採用しないことを決めたという。泉下で父君の三郎氏が嘆いておられるであろう江田五月が法務大臣である故、予断は禁物だが、当然といえば当然の裁判所の決定だ。日本の司法も「民主主義の守り手」としての存在意義が問われている…。